旅行が好きでに年に数回ほど一人旅をしている。
こないだYoutubeで「京都から北海道までフェリーで行ってきた」みたいな動画を観て自分もフェリーに乗りたくなった。
その理由は約22時間という移動時間。
船内にはレストランや売店、映画鑑賞室やゲームセンターにサウナ付きの大浴場まで豪華客船さながらの充実した設備が完備。
昭和遺産的な香ばしさを感じさせるフェリー旅行に期待が盛り上がり早速ネットで予約し、2泊4日（船泊1日）の旅に出てみた。
フェリーの旅程は京都は舞鶴フェリーターミナル発で北海道は小樽港着。
舞鶴発のフェリー出航時間は23時50分。
徒歩で向かう自分の選択肢は電車か高速バスに限られる。
神戸三宮と難波からだと舞鶴フェリーターミナルからの出航時間にあわせて高速バスが運行されていてとても便利ではあるが、電車旅にこだわる自分はあえて京都から特急まいづるに乗車。
京都駅20時37分発車の特急まいづる15号だと舞鶴フェリー乗り場の最寄り駅である東舞鶴駅に22時21分に到着するからゆとりある行動ができる。
定刻通り22時21分に東舞鶴駅に到着。
1駅前の西舞鶴駅でほとんどの乗客が下車したので行く先を間違えたかと心配になる。
夜中でなければ駅周りを散策したいところだが、ほとんど閉店していたので寄り道せずに舞鶴フェリーターミナルへ向かう。
今回、乗船するのは「はまなす」。
乗船時間は出航の1時間前なので30分くらい余裕がある。
昭和の香りを芳醇に漂わせる待合室には約20名ほどが待機していた。
顔ぶれを観察してみると若者カップルが2組、年配の夫婦が2組で女性が数名で後は男性がほとんど。
そうこうしているうちに乗船時間となりスマホ画面のQRコードをスキャンしてもらい期待度マックスで船内へ。
自分はいびきや少しの物音でもすぐ起きてしまうので少々値段が張るが個室（ステート）を予約。
値段は22,500円。
ツーリストAが12,000円なので約2倍の料金。
ロビー受付でルームキーを受け取りすぐさま部屋へ直行。
船内の客室エリアは4Fから6Fで4Fが相部屋のツーリストエリアで5Fが個室エリアで6Fがスイートルームエリア。
時刻は23時30分をすぎていて普段ならもう寝ている時間。
少し気分が高揚していたので売店を覗いてみる。
売店には白い恋人やじゃがぽっくるなど北海道土産やはまなす限定グッズもあってテンション上がる。
ただカップラーメンやお菓子などは少し割高価格なので乗船前に買っておくほうがベター。
定刻通り23時50分に船が出航。
エンジン音と共に震度1~２くらいの揺れが続く。
一時的なものかと思ったが、この揺れとエンジン音が航海中ずっと続き、少しの物音で目が覚める自分は3時間程度の細切れ睡眠しかできなかった。
船旅には耳栓の持参が必須とメモに残す。
あと、冬の日本海は波が高いと口コミにあったが2月下旬では揺れをあまり体感せず、ちょっと平行感覚が乱れるくらいで船酔いにはまったくならなかった。
そんなこんなで細切れ睡眠だったので朝6時くらいに起床。
船内にある大浴場やレストランの営業が8時以降なので特にやることもなくスマホを見たらなんと圏外。
Wi-Fiがあるか調べたものの無慈悲にも「本船にはWi-Fiを設置していません」との案内をみつけ途方に暮れる。
小樽に着くまであと15時間ほどの航海を強制的デジタルデットクスで過ごすことが決定。
※1 フェリーホームページのトップページに大きくWi-Fiサービスはございませんと注意が記載されており自分が見落としていた。
※2 秋田を超えたあたり（15時ごろ）からフォーワードサロンで微弱ながら電波が復活した。
Wi-Fiに繋がらなくとも、今回は長い航海中に自分を見つめ直すという趣旨があり、「7つの習慣」と「モモ」を持参していたのでスマホが使えなくても時間を持て余すことはなかった。
船内での食事は3食すべてレストラン「ジュピター」でいただく。
営業時間は朝・昼・晩の三部制でそれぞれ営業時間が30分しかないが提供時間が早いので問題なし。
味も美味しく特に晩のメニューあった新日本海フェリーオリジナル「ビーフシチューセット」はとても美味しかった。
レストラン以外で食事を購入する場合は売店かカップラーメンの自販機コーナーで調達可能。
アルコールも自販機で販売されているが夜間以降はアルコール運転禁止の観点からかすべて販売中止になっていた。
大浴場は朝8時から夕方6時まで営業。
海の上ということだけあって湯船で浮遊しているような感覚。
窓ガラスから陽射しが差し込み、日本海を眺めながらの入浴は格別。
自分は朝・夕に入浴したがほぼ貸切状態で湯船の温度も適温で清潔感もありすっかりリラックスすることができた。
船内での娯楽は1日に2回映画を上映するシアタースクリーンとゲームコーナーがある。
この日に上映されていた映画は二宮和也主演「ラーゲリより愛を込めて」と「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」だった。
ゲームコーナーはあまり魅力的なゲームがなかったのが残念。
あと持ち込みのDVDを視聴することができるビデオルームもあった。
スマホも使えず読書だけだと暇を持てあますかなと思ったが真冬の日本海を眺めるだけでも全然飽きない。
特に日没までの時間は太陽が海に沈む瞬間をみることができて感慨深いものがあった。
22時間という長い航海もそろそろ終わりが近づいてきた。
飛行機での移動と違ってなんだかしんみりしてきた。
悔いが残らないよう最後に船内を散策。
定刻通りに20時45分に小樽港に到着。
小樽港は雪が積もっているもののそこまで寒くない。
小樽駅行きのバスがくるまで40分以上あったので歩いて最寄りの小樽築港駅まで歩いて行くことにしたが、歩道が凍結していて革靴を履いてきたことを激しく後悔した。
よちよち歩きでなんとか小樽築港駅に到着。
今日のホテルは札幌。
小樽にすればよかったと40分電車に揺られながらふと思う。
22時15分にホテルに到着。
細切れ睡眠だったのでとにかく眠かったのですぐにベットイン。
こころなしかベットが揺れているような錯覚に陥るもすぐに就寝。
最後に個人的な感想
1 昭和・平成の良き時代の面影を感じさせる船内に胸がときめいた。
2 約22時間のデジタルデトックスという貴重な体験ができた。
3 海の景色は飽きない。
4 船内で読んだ本の内容がしっかり記憶に残っている。
5 またリピートしたい。
