元某大手レコード店バイヤーがおすすめするそこまで売れてないけど中古であったら聴いてほしい名盤シリーズ。
今回は1997年に発売された東洋のテクノゴッドことケンイシイによるDJ MIXを紹介。
Ken Ishii / X-MIX Fast Forward & Rewind
↑私物。そこそこレアな帯付き。
ドイツのiK7というレーベルからリリース、他にもハードフロアやDJヘル、DAVE ANGELなどもDJ MIXをリリース。中でもアシッドテクノバリバリのハードフロアは中毒性高め。
このMIXの優れているところは選曲!
テクノだけでなくハウス、ドラムンベース、ダブ、アシッドジャズまで縦横無尽。
この幅広さを違和感ないストーリーに仕上げるあたりが職人ですね。
まずなんといっても1曲目のUnited Future Organization
まさかのアシッドジャズからのキックオフ
でもこの曲がとってもカッコ良すぎて、UFOが好きになり毎月第4金曜にイエローで行われていた「Jazzin」に通うことになりました。
この曲からなんの違和感なくテクノに持っていくのがセンスとテクニック。
2曲目のRenegazed Soundwaveの中古を割とプレミア価格で当時購入した記憶あり。
(そしてBPMが遅いからテクノ系ではあまり使うことがなかった)
5曲目のBasement Jaxxの「Fly Life」、流行りましたね。
ここぞという時に盛り上げてくれるキラーチューン、テクノDJやハウスDJは必ずDJバッグに忍ばせていました。
6曲目から自身の別名義Flareでテクノ的な路線で繋いでいきます。
DJがあまり選曲しないようなとてもオリジナリティある選曲、ケンさんの中盤はすごくセンスが滲みでます。
DERRICK CARTER、MARK FARINA、CHRIS NAZUKAという今ではかなりのビッグネームたちによるユニットSYMBOLS & INSTRUMENTSの「Mood」。
アンビエントなウワモノシンセが幻想的なグルーヴを醸し出しています。
個人的におすすめの曲、ドイツの名門レーベルハートハウスから跳ねたシンセが特徴的なFrank De Wulfの「Drums in a Grip」。
ユニット名がスターウォーズからのインスパイアなのかJedi Knightsのブレイクビーツを違和感なく4つ打ちテクノに絡めてくるあたりに脱帽です。
そして大きな山場はこの名曲 Coldcut / Atomic Moog 2000
手裏剣がわりにレコード盤を持った忍者がトレードマークのNinjaTuneの看板アーティストColdcutの代表曲、今聴いても色褪せない。
そして、14曲目からケンイシイ三連発!!
昔、新宿高島屋タイムズスクエアのオープニングCMがCircular Motionでした。
あえてEXTRAを選曲しないあたりがグッときますよね。
Echo Exit以降はテクノの領域を超えてドラムンベースへ。
カーペンターズの名曲もこんな感じになるんだと感心するuZIQ別名義のLocust。
浮遊感漂うシンセに程よいボッサなドラムンベースJake Slazenger。
最後の大トリと言っても過言ではないスクエアプッシャー、まさかの登場です。
この曲のすごいところはベースは生ベース、打ち込みではないです。
そして最近ではトム・ジェンキンソンによるバンド形式でこの曲が再現されています。
全20曲、まるで飽きさせず、芸術性も高いこのDJ MIX、24年前とは感じさせない先見性のあるグルーヴを是非是非体感してください😀
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