愛媛県にある松山市には毎年必ず訪れている。
松山市という地名にあまり聞き馴染みがない人でも道後温泉は知っている人は多いはず。
日本最古の温泉といわれている道後温泉があるのはこの松山市で、日本人だけでなく世界各国の観光客で賑わっている。
また、夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台でもあり、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」の主人公の秋山好古・真之兄弟や正岡子規の出生地でもあり文学ファンの聖地巡礼の場所でもある。
ほかにも松山城やポンジュースに一六タルトなど観光名所や名物も多く、四国の中でいちばん観光客が多い。
とはいえ、元埼玉県民で京都に住んでいる自分がなぜ毎年松山市に訪れているのか。
その理由は母方の実家が松山市にあり、幼少期から数えると通算30回ほど訪れていて第2の故郷のような親しみがあるから。
埼玉に住んでいた頃は羽田空港から飛行機で行っていて、京都に移住してからは京都駅から新幹線と特急しおかぜで片道約4時間かけて行っているが、この旅程だと移動がけっこうしんどいのが難点。
京都から岡山までの新幹線は快適なのだが、岡山〜松山間の特急しおかぜが乗り心地がよくない。
瀬戸大橋や海沿いを走る時の景色は最高なのだがよく車体が揺れて、騒音もなかなかなものだから睡眠もできない。
岡山駅でいつも購入する駅弁「桃太郎の祭ずし」も神輿のごとくよく揺れる。
そんな乗車環境が約2時間48分も続くので、松山駅に着いた頃には腰と背中が悲鳴をあげている。
なので京都〜松山旅行は行きと帰りの半日は移動で費やしてしまうのが難点だった。
そんななかたまたま見つけた全日空ANAのタイムセールで大阪伊丹空港〜松山空港の往復がなんと17,220円。
電車利用だと往復27,260円なので飛行機移動の場合は約1万円も安い。
そして気になる移動時間は京都〜伊丹空港〜松山空港でだいたい2時間30分で飛行機の乗車時間はなんと約50分。
特急しおかぜの乗車時間が2時間48分なので飛行機のほうがタイパがいい。
松山空港も松山市内にあり松山駅や道後温泉までの直通バスもあるから申し分ない。
今回の旅程は行きは伊丹空港9:20発〜松山空港10:10着。
帰りは松山空港17:50発〜伊丹空港18:45着。
伊丹空港までは京都駅から直通リムジンバスが運行しており1時間程度で到着する。
これなら1泊2日でも十分に観光を楽しめるし、何より移動で体力が消耗しない。
すべての便がセール対象というわけではないが午前中の早い便と夕方以降の便はセール対象になっている確率が高い。
松山市で訪れる場所はいつも一緒。
まずは松山市のソウルフード鍋焼きうどんで腹ごしらえ。
松山市で鍋焼きうどんといえばアサヒかことりの2択がスタンダード。
味はどちらも似たような味で美味いから混雑していない方に入るのがおすすめ。
晴れていて時間があれば市内からアクセス抜群の観光名所松山城で市街を一望するのもお決まりのルーティン。
松山城のロープウェイ乗り場までの道が飲食店やお土産屋が立ち並んでいるので観光気分が一気に高まる。
標高132mの勝山に築かれた松山城へはロープウェイかリフトで行くことができ、やや高所恐怖症の自分はもちろんリフトを選択してちょっとしたスリルを味わっている。
鍋焼きうどん食べて松山城から市街を一望したら、松山の風景には欠かすことのできない路面電車に乗って日本最古の温泉といわれる道後温泉へ直行。
松山の路面電車は日本鉄道に続いて2番目の歴史を持ち、なんと1887年に運行が開始。
昭和レトロ感を漂わせる車両「モハ50形」は自分の幼少期から運行しており、この車両に乗車するとなんとなく温かい気持ちになる。
個人的にはJR松山駅と大街道の乗り場が気に入っている。
そして松山の路面電車は10分刻みぐらいで運行しているからほとんど待つことがなくタイパがとても良い。
大街道から道後温泉までは路面電車で約12分。
明治44年に施行された明治洋風建築の旧駅舎の佇まいがそのまま残った道後温泉駅舎。
なんとその駅にスターバックスが併設されていてレトロな空間でコーヒーを味わうことができる。
道後温泉を中心にお土産屋と飲食店が密集した温泉街と老舗旅館などが立ち並ぶ旅館街があり、浴衣で闊歩する観光客が多く、旅の風情を感じさせる。
道後温泉土産の定番といえば一六タルトと坊ちゃん団子だが、いろいろお店があって迷ってしまうが自分はいつも巴堂本舗で購入している。
あと、白鷺堂で販売されているコーヒータルトは文句なしに美味いが品切れが多いので見かけたらすぐに購入するのが鉄則。
この2店舗は松山でしか購入することができないからレア土産。
風情感じる温泉街の中心に構える道後温泉のシンボルでもある道後温泉本館が今年の7月11日に約5年半ぶりの改修工事から全館営業を再開。
本館の他にも椿の湯と飛鳥乃湯もあるから混雑状況にあわせて使い分けることもできる。
椿の湯は大きな銭湯といった佇まい。
飛鳥乃湯は別料金となるが個室・大部屋の休憩室がありゆっくりしたい場合はここがおすすめ。
松山は美味いグルメが多く定番なのが宇和島鯛めし。
道後温泉には宇和島鯛めしの名店かどやが2店舗営業しているからここに入れば間違いなし。
自分のお気に入りは道後温泉本館前にある道後魚武。
居酒屋のような店構えだが、郷土料理メニューが豊富で量もボリュームがあるから満足度が高い。
お酒をまったく飲まない自分が一人でも入店できる気軽さもポイント高い。
ほかにも愛媛の郷土料理松山鮓が食べたければ道後温泉本館横にあるすし丸がおすすめ。
ただし夜は品切れになっていることが多くランチの時間に行くのが無難。
道後温泉には多くの温泉旅館やホテルが立ち並ぶが、1人旅で気軽でコスパ重視するのであれば道後hakuroがおすすめ。
2020年にオープンしたので施設・備品が綺麗であり、大浴場ももちろん温泉で露天風呂も完備。
客室はシングルでもそこそこ広く、スタイリッシュなワンルームのようなしつらえでシックで落ち着く室内。
さらにレコードプレーヤーが置いてありホテル受付でレコードを借りることができるのも音楽好きの自分には嬉しいサービス。
レコードは松山の老舗レコードショップモア・ミュージックと連携しているから音楽ファンも唸らすセレクション。
そしてワーケションに最適な広いラウンジスペースがあり、ソフトドリンクも飲み放題。
この場所でコーヒーを飲みながら旅の振り返りと明日のスケジュールを調整したあと、温泉入ってレコード聴いて寝るのがなんともいえない至福の過ごし方。
澄み切った青空が広がる気持ちのいい朝は道後温泉街から徒歩圏内でいける四国八十八ヶ所第51番所にあたる石手寺まで散歩してみてはどうか。
広大な境内には本堂や三重塔、護摩堂など重要文化財に指定された建築物が建ち並び、その数は四国遍路の中で屈指を誇る。
参拝後に必ず立ち寄りたい門前グルメが参道にある「五十一番食堂」。
名物やきもちとおでんを趣きある店内でいただこう。
松山のエトセトラ
以上が第2の故郷である松山での過ごし方。
京都から飛行機で行くことにより1泊2日でこれらの旅程が満喫できるようになった。
次は宇和島の闘牛の開催にあわせて行ってみようと思う。