
テクノやハウスといったジャンルの枠を超え、全世界の音楽ファンを魅了してきたダンスミュージック界のビッグ3といえば——
ケミカル・ブラザーズ
ダフト・パンク
アンダーワールド
今回は、そのビッグ3がまさに全盛期を迎えていた時代のライブパフォーマンスを収めた貴重なライブ盤を紹介。
THE CHEMICAL BROTHERS / DONT THINK

全世界の大型野外レイヴでヘッドライナーを務め、サウンドとビジュアルを駆使した“イリュージョン”さながらのライブパフォーマンスを繰り広げるTHE CHEMICAL BROTHERS。
そんな彼らの初となるライブ・アルバムがこちら。
しかも収録されているのは、なんとFUJI ROCK FESTIVAL ’11のライブ音源!
リアルタイムで現地体験し衝撃を受けた人も多いはず。
FUJIROCKならではの“空気感”が音源越しでもしっかり伝わってくる。
セットリストは、デビュー作『Exit Planet Dust』から7枚目のアルバム『Further』までの代表曲を惜しげもなく披露。
オープニングの「Do It Again」では、音と映像が完璧にリンクしたパフォーマンスで一気に世界観へと引き込まれる。
「Horse Power」でブチ上がったフロアを、初期のキラーチューン「Chemical Beats」でさらに加速。
そこから「Swoon」「Star Guitar」と続く情緒的なメロディが、夜空に見事に溶け込んでいく──
そして、ついに最大のピークが登場。
「Hey Boy, Hey Girl」
あの“蚊の鳴き声”のようなSEがプーンと鳴り響いた瞬間、会場のボルテージは一気に最高潮へ。
この頃のバージョンは、“Hey Boy, Hey Girl, Superstar DJ’s, Here We Go”のボイスループが控えめで、代わりにシンセのループでグイグイと押し上げてくるアレンジでこれがまたカッコいい。
続く「Out Of Control」はキラーチューンらしい破壊力抜群のイントロから全開。
「Setting Sun」との絶妙なマッシュアップも炸裂しアレンジの妙が光る。
終盤には初期の名曲「Leave Home」に、Q-Tipのラップが冴える「Galvanize」のアカペラをミックス。
ラストを飾るのはもちろん「Block Rockin’ Beats」。
グリーンステージに鳴り響く爆音の中、大歓声とともに幕を閉じる。
星空の下、FUJIROCKという唯一無二のロケーションだからこそ生まれたあの一体感。
その感動的記録が、このライブ盤には確かに焼きついている。
DAFT PUNK / ALIVE 2007

DAFT PUNK伝説の大規模ワールドツアー「ALIVE 2007」
2009年のグラミーで「ベストダンス/エレクトロアルバム」「ベストレコーディング」をW受賞したのがこのライブ盤――『ALIVE 2007』。
衝撃のデビュー作『Homework』の時期に出た伝説のライブ盤『ALIVE 1997』から、実に10年ぶりのライブアルバム。
当時の最新LED技術を駆使したピラミッド型ブース。
音と光が完全にシンクロするスペクタクルショーは、もはやライブというより未来体験。
幕張メッセであの光景を目撃した人も多いはず。
セットリストは3rdアルバム『Human After All』の楽曲を軸にしつつ、「One More Time」などのアンセムもガッツリ投入したオールタイムベストな構成。
幕開けは「Robot Rock」、あのギターリフがこだまして、いきなりテンション爆あがり。
続く「Technologic」はiPhoneのCMで話題沸騰してた時期。
そしてセカンドアルバムからの「Crescendolls」を見事なカットインでフロア爆発。
ファーストアルバムの名曲「Around the World」の哀愁あるメロディーと「Harder Better Faster Storonger」のボイスサンプルをマッシュアップさせてライブならではのアレンジを披露。
「Too Long」や「Face To Face」など緩やかテンションの曲が続いた後にガツンとぶち上げ
「ONE MORE TIME」
鐘の音だけで会場の空気が変わり、観客全員での大合唱。
熱量、尋常じゃない。
後半は「Rollin’ & Scratchin’」のハードグルーヴでフロアをかき混ぜ、「DA FUNK」のキックとスネアが鳴り響く。
そして本編が終わっても、興奮は冷めない。
アンコール、ここが本作のハイライト。
「Human After All〜Together〜One More Time〜Music Sounds Better With You」の怒涛のメドレー。
DAFT PUNKのトーマス・バンガルテルの覆面ユニットSTARDUSTの“あの曲”と「One More Time」の夢のマッシュアップ。
最後の最後でぶっ込んでくるあたりもうズルい。
UNDERWORLD / EVERYTHING EVERYTHING

今でも気分をあげたい時に観てしまうのがこの「EVERYTHING EVERYTHING」
リリースは2000年。
名盤『Beaucoup Fish』直後のワールドツアーを収録した伝説のライブDVD。
自分にとっても、生涯ライブベスト5に入るであろう2003年フジロックのUnderworldは今でも記憶に焼きついて離れない。
あの興奮をもう一度味わえる作品がこの『Everything Everything』。
この映像作品、脱退前のダレン・エマーソンが在籍していた頃の貴重な記録というだけでも価値があるのに、UKのデザイン集団TOMATOが編集を担当していて、もう映像がアート。
臨場感のあるカット割り、空気の揺れまで伝わってきそうな没入感。
まさに一夜のライブを擬似体験できる一本。
オープニングを飾るのはセカンドアルバムの冒頭曲「Juanita / Kiteless」。
ギターを肩にかけヴォコーダーで無機質に歌うカール・ハイドがとにかくクール。
オープニングとは思えない壮大さと完成度に開始数分で完全に引き込まれる。
そこから一気にブレイクビーツ色強めの「Pearls Girl」、浮遊感シンセが美しい「Jumbo」へと続くセットリストも秀逸。
そしてフロアの温度が一気に上がるアゲトラック「Shudder / King of Snake」。
そして会場のボルテージが爆発寸前で投入されるのが「Born Slippy NUXX」。
あのイントロのビートが鳴った瞬間、観客のボルテージが爆発し、あのシンセが入った時点でもう昇天。
フジロックで聴いたあの瞬間、会場が揺れててマジで命懸けだったのを今でも覚えてる。
その臨場感、このDVDでもしっかり再現されてるからすごい。
ラストはやっぱりこの曲「Rez」。
多幸感をまとったシンセループが1分半くらいビートレスで響いた後、ドカンと落ちてくるキック――これがもう破壊力エグい。
駆け抜けるような疾走感が余韻として残る全8曲。
UNDERWOELDの全盛期の魅力が凝縮されたライブがこちら↓
いかがだったろうか。
どのライブ盤も、全盛期の熱量がそのまま詰まっていて、今聴いてもまったく古びてない。
巨大フェス特有のスケール感や演出も、音だけでビリビリ伝わってくる。
スタジオ録音とはまったく別モノのグルーヴと没入感。
ダンスミュージック好きなら一度は通っておきたい3枚。
気になるものからぜひ。