【厳選】テクノの名曲を“生演奏”でカバーしたおすすめ楽曲9選!

バンドやポップアーティストが手がけるダンスリミックスは数多いが、テクノの名曲を生演奏でカバーする“逆リミックス”となると一気に数が少なくなる。

今回はそんな打ち込みではなく生演奏でカバーされたテクノミュージックをピックアップ。

なかには原曲のイメージを大胆に裏切るようなアレンジもあるので最後までどうぞ。

quasimode / Hi Tech Jazz

デトロイトテクノの金字塔GALAXY 2 GALAXY「Hi Tech Jazz」を、日本のクラブジャズシーンを代表するquasimodeが鮮やかにカバー。

原曲もすでに生演奏を取り入れた名作だがquasimodeによるアレンジはさらにダンサブルで見事。

軽快なパーカッション、跳ねるようなウッドベース、そして胸に沁みる哀愁のサックス。

9分近い長尺ながら、展開の妙とグルーヴ感で一気に聴かせる。

ジャズとテクノの接点を美しく昇華したまさに技ありの1曲。

CHRISTIAN PROMMERS DRUMLESSON / Strings of Life

デトロイトテクノの象徴とも言えるDERRICK MAYの名曲「Strings of Life」を、なんとピアノトリオでジャズアレンジ。

プロデュース/アレンジは、JAZZANOVAと並びドイツのクラブジャズシーンを牽引してきたTRUBY TRIOのCHRISTIAN PROMMER。

原曲の高揚感はそのままに、リズミカルなビートとしなやかなピアノのフレーズが絡み合い、ジャズクラブでもフロアでも映える仕上がりに。

THE DIRTBOMBS / Bug In the Bassbin

デトロイトテクノ第2世代を代表するCARL CRAIGのスペーステックジャズ・プロジェクト、INNERZONE ORCHESTRAの名曲をまさかのガレージロックバンドが大胆カバー。

原曲の要でもあるあのインパクトあるドラムブレイクを生演奏で表現するという常識外れのパワープレイ。

宇宙的で浮遊感に満ちたシンセのフレーズも泥臭いギターサウンドでラフに再構築され、いい意味で予測不能な展開になっている。

しかも収録時間はまさかの21分超え。

完全にジャムバンドモードに突入し、ひたすらアドリブで押し切るアレンジがクセになる。

PENTATONIX / DAFT PANK

DAFT PUNKの「One More Time」「Get Lucky」「Digital Love」など、名曲を詰め込んだメドレーをまさかのアカペラでカバー。

ボイスパーカッションと華やかな男女のハーモニーだけで原曲の世界観を完全再現。

シンセもベースもすべて“声”のみ。

その衝撃のミュージックビデオはYouTubeで3億回再生を突破し世界中で話題になった。

アレンジの巧みさと圧巻のパフォーマンスに思わず唸る、DAFT PUNKへの最大級のリスペクトが詰まったカバー。

FRACESCO TRISTANO / The Bells

クラシックの世界で研鑽を積みつつ学生時代にDJやターンテーブルに魅了された異才ピアニストFrancesco Tristano。

そんな彼が2008年にリリースしたアルバム『Not For Piano』は、テクノの名曲をピアノで再解釈するという前代未聞の挑戦作。

中でも圧巻なのがJeff Millsのフロアアンセム「The Bells」のカバー。

反復するミニマルな旋律と美しくも鋭利なフレーズを卓越したタッチとダイナミクスで見事に表現。

ただの再現ではなくピアノ1本でミルズの宇宙的ビジョンを描き切った傑作アレンジ。

FOX CAPTURE PLAN / One More Time

現代版ジャズロックを掲げ、ジャンルを横断するサウンドで注目を集めるピアノトリオfox capture plan

彼らが挑んだのは、ダフト・パンクの名曲「One More Time」のインストゥルメンタル・カバー。

ヴォーカルパートはすべてピアノで再構築。

リフのリズム感やフレーズの抑揚まで見事に表現しながら、ドラムはブレイクビーツ的なアプローチでビートに重心を置き、全体をしっかりとグルーヴィーに支えている。

中盤から畳みかけるように展開されるピアノソロは、ジャズの即興性と美しさが絶妙に融合した聴きどころ。

原曲のエレクトロニックな多幸感をそのままに生演奏ならではの熱量とスリルで昇華した秀逸なカバー。

CORNELIUS / CUE

CORNELIUSが『SENSUOUS』期に手がけた、YMO「BGM」収録曲のカバー。

選曲のセンスだけでも唸らされるがなにより特筆すべきはそのアレンジ力。

原曲の持つミニマルで硬質な空気感を損なうことなく、CORNELIUSならではの繊細かつ緻密なサウンドメイクで再構築。

音数は極端に少ないが、ひとつひとつの音に圧倒的な存在感と空間的広がりが宿っている。

YMOへのリスペクトと小山田圭吾自身の音楽観のバランスが完璧に同居している。

SAKEROCK / 千のナイフと妖怪道中記

星野源がソロ活動前に所属していたインストバンドSAKEROCKによる「千のナイフ」とナムコの名作アーケードゲーム「妖怪道中記」のBGMを融合させたセンスしか感じないマッシュアップカバー

坂本龍一の代表曲であり、YMOの重要作「千のナイフ」の荘厳なイントロを、星野源がマリンバで軽やかに再構築。

そこに絶妙なタイミングで忍び寄る「妖怪道中記」のゲームサウンド。

一聴するとユーモラスなアレンジだが、2つの異なるジャンルを違和感なく溶け合わせている構成力は見事のひと言。

脱力と感動が絶妙に混在する唯一無二の一曲。

UVERWORLD / Born Slippy

日本のロックバンドUVERworldが、UKテクノ界のレジェンド・UNDERWORLDの名曲「Born Slippy」をカバー。

この曲の核ともいえる疾走感あるビートを表現するために、なんとドラムパートを3人編成にして、音の厚みと勢いで原曲のエネルギーをしっかり再現している。

シンセのループ感やヴォーカルの畳み掛けもUVERworld流にアレンジされていて、オマージュと再構築のバランスが絶妙。

UNDERWORLD愛がひしひしと伝わる熱量の高いカバー。


いかがだっただろうか。

打ち込みのテクノをバンドスタイルで表現するとまったく違った印象になるのが面白い。

そして、なかにはオリジナルの個性を大胆に膨らませてまったく別の曲に生まれ変わったものもあった。

他にも、一流DJが手がけたJ-POPのリミックスで踊れる仕様に変わった曲も紹介しているので、興味がある人はぜひチェック↓

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