DJ MIX CDの金字塔、石野卓球氏による企画/監修による「ミックスアップシリーズ」第４弾。
このシリーズは全部で第5弾まであり、石野卓球、ジェフミルズ、ケンイシイ、デリックメイと錚々たる顔ぶれです。
さて、今回は1996年10月、大阪クラブロケッツでのライブミックス一発録音（深夜2時30ごろ）。
田中フミヤ氏の未発表曲2曲含む全34曲＋歓声付き
70分弱で34曲。
自分は仕事がら100枚以上はDJMIX CDを聴いてきましたが
この作品はマイベスト3に入ります。
聴いていただければわかると思いますが
男気あふれるタフなミックスです。
こんなミックスができるのはJEFF MILLSかDERRICK MAYくらいでしょうか。
男気要素として・・・
楽曲1曲単位よりもアルバムトータルの流れを聴き感じてほしいというアーティストの意向により、
トラックマーク無しの1曲のみ
今はi-phoneとかで簡単に聴きたい曲まで飛ばせますが、当時はCDウォークマンで聴いていたため、目的地に着く頃にピークタイムがザラでした。
内容といえば、
混じりっ気無し、純度100％のハードミニマル
ちょっとはテックハウスとか歌ものとか入れて展開を広げますが・・・
最初から最後までハードミニマル
この選曲でハードロックさながらの熱狂を作り出せるのだから当時のフミヤさんの人気とテクニックは天井知らずでした。
個人的にはこのMIX CDでは3つの大きな山場があり、1つ目は1曲目フミヤさんの未発表からJEFF MILLSのキラーチューンまでのうねりがたまりません。
序盤で「STEP TO ENCHANTMENT」をぶっ込んでくるか？と叫喚してしまいます（フロアも叫喚）
しかも2枚使いでターンテーブルの魔術師と化しています。
あとDJ FUNKの「PUMP IT」も気合のカットインでハラハラさせます。
個人的にこの6曲までの展開を超えるミックスは今のところありません。
フロアが加熱したところに清涼剤としてP-FUNK ALL STARSを大胆にサンプリングしたアップリフティングな名盤テクノFIX「Flash」
この曲もミックスするのが難しい癖のある曲。
執拗な電子音がピコピコ鳴り止まないROBERT ARMANIの名曲「Armani Tracks Pt.2」。
繋いだ瞬間のフロアの歓声が一段とヒートアップしました。
ミニマルテクノDJのマストアイテムJEFF MILLS「The Dancer」。
Pitch Downというヴォイスループがかっこいい。
28分くらい経過したあたりに突如現れる攻撃的なハイハット。
この曲はLULE SLATERによるMORGANISTIC名義「leaf」
いつ聴いても惚れ惚れするハイハットの音色です。
個人的な山場が35分経過したここ！
シカゴ産テクノといえばDancemaniaからWAX MASTER MAURICE「STOP SCREAMING」からのE-DANCER「PUMP THE MOVE」までの流れです。
かなり盛り上げているこの「STOP SCREAMING」は原曲がスッカスカです。
田中フミヤの別名義KARAFUTO「Funky Squad」。
ジャジーなサンプリングネタにテックハウスなビート。
この頃のKARAFUTOはダンス寄りの作品でした。
そして、テクノDJのマストアイテム E-DANCER「PUMP THE MOVE」。
デトロイトテクノの巨匠KEVIN SAUNDERSONの名作です。
90年代中盤はDancemaniaレーベルが良作を量産していましたが、この曲もベスト5に入るであろう名曲TRAXMEN「Wet Floor」。
この乱降下するシンセのジェット音がたまらない！
14曲目にも登場したMORGANISTICが再登場！
相変わらずハットの音が良いです。
ラストはなんと怒涛のJEFF MILLS 5連発！！！
統一感ある激しいグルーヴで締めくくるストイックなフィナーレです。
内容は
29 JEFF MILLS / JAVA
31 DJ HELL / ALLERSEELEN（JEFF MILLS REMIX）
32 CYRUS / ENFORCEMENT（MILLS MIX）
33 JEFF MILLS / i9
34 JEFF MILLS / B-2（AX-009）
以上、34曲。
25年以上経った今でも色褪せない選曲。
現場の熱狂を真空パックしたこのMIX CDはおすすめです🙂