
2005年にリリースされた通算4作目となるDJ MIX。
それまでの作品は、大箱映えするハードテクノ中心の選曲が多かったが、今作では少し肩の力を抜きつつ、程よいテンションのエレクトロハウスにフォーカス。
当時絶好調だったBoys Noizeや、どこのクラブでも耳にしたTOMAS ANDERSSON「Washing Up (Tiga Remix)」など、今聴いても胸が高鳴るキラーチューンがしっかり収録されているのも嬉しいポイント。
特に中盤、MASONからLOSOULまでの流れは圧巻のひと言。
もしこの選曲をフロアで浴びたら間違いなく大発狂していたはず。
それでは、気になるその内容を詳しく紹介。
収録曲↓
- 石野卓球 / A Pack To The Future
- ゆらゆら帝国 / ぼたんが一つ
- BOYS NOISE / He Men
- CIREZ D / Teaser
- TRICK & KUBIC / Orbital Dance Machine(Tomas Anderson’s Nervous Disco Remix)
- JHON STARLIGHT / John’s Addiction
- DJ T & STEVE BUG / Monsterbaze
- Mason / The Screetch
- TOMAS ANDERSSON / Washing Up(Tiga Remix)
- LOSOUL / Brain Of Glass(Alter Ego Remix)
- SLUT’N STRINGS & 909 / Summer Breeze
- THE SUPERMAN LOVERS,HATIRAS,MACCA&AI / Rebirth・Hey Frankie(Accapella Tool)
- DA SKUNK / Hotbox
- CIREZ D / Lost Love
- MARCO CAROLA / Sun City
- JOHN STARLIGHT / Shadowbreaker(Boys Noise Remix)
- MELOBOY / Hot Love(DJ Koze Mix)
- ERROR ERROR / Rotten
- SWELL MAPS / Vertical Slum
ゆらゆら帝国 / ボタンが一つ
オープニングを飾るのは、ゆらゆら帝国の「ボタンが一つ」。
「感情発火装置 単三電池が2個 完結されない恋のゲーム ボタンが一つ」
子どもの声で歌われるなんとも怪しげなメロディーとこの奇妙な歌詞。
その不気味さと中毒性のあるつかみはまさに卓球節。
BOYS NOIZE / He Men
ジャスティスやデジタリズムと並び、2000年代のエレクトロブームを牽引したBOYS NOIZE「He Men」はミニマルな展開ながらもズシッと響くベースラインが特徴。
無駄を削ぎ落としたシンプルな構成なのに、気付けばどっぷり引き込まれてしまう。
ゆらゆら帝国の怪しさ漂う空気感からガツンと覚醒させてくれる一曲。
CIREZ D / Teaser
ハウスシーンで特大ヒットとなった「Call On Me」で一躍名を知られるERIC PRYDZがCIREZ D名義で放ったのが、プログレッシヴ寄りのフロアキラー「Teaser」。
硬質でソリッドなビートと、ジワジワと高揚感を煽る展開が特徴で、単体でも十分強力な一曲だが、前曲BOYS NOIZE「He Men」からのロングミックスで繋げることで、その破壊力がさらに増している
JOHN STARLIGHT / John’s Addiction(Part 1)
ロックテイストなビートにノイジーでザラついたウワモノが絶妙に絡むJohn Starlight「John’s Addiction」。
直球のフロアアンセムというよりは、程よい粗さと熱量がクセになるタイプの一曲。
大箱よりも小箱で聴きたくなるような曲。
MASON / The Screetch
アムステルダムが生んだエレクトロ・ハウスの鬼才MASON「The Screetch」は、大ヒットも記録したフロア直撃の一曲。
高低差のある音域を行き来する無機質なシンセが、淡々とループし続ける中で、小気味良いビートが自然と身体を揺らし、軽快なステップを誘う。
そして次に控える「Washing Up」との相性が抜群。
この流れは間違いなくフロアで爆発する。
TOMAS ANDERSON / Washing Up(TIGA REMIX)
この時代のエレクトロ・ハウスを語る上で外せない、大ヒット曲 Tomas Andersson「Washing Up(Tiga Remix)」。
陽気さすら感じるシンセのビルドアップがフロアの熱を一気に高め、ピークタイムには欠かせないアンセムとして世界中のクラブでプレイされた。
無駄のないシンプルな構成ながら、積み上がっていく高揚感とドロップの解放感はまさにフロアを揺るがす破壊力。
今聴いても色褪せない、この時代のエレクトロ・ハウスの象徴的な一曲。
SLUT’N’ STRINGS & 909 / Summer Breeze
軽やかなエレクトロビーツの流れを受け継ぎつつ、次に登場するのはSLUT’N’ STRINGS & 909「Summer Breeze」。
アップリフティングな4つ打ちエレクトロテクノで、グルーヴィーなベースラインがしっかりと下支えしながら、リズミカルに刻まれるヴォイスサンプルが心地よく耳に残る。
その名の通り、まるで常夏のビーチで潮風に吹かれながら踊っているかのような開放感を感じる曲。
DA SKUNK / Hotbox
ディスコハウス界のヒットメイカー、HATIRASによるDA SKUNK「Hot Box」で、エレクトロ中心だった流れにディスコのスパイスが投入される。
アップダウンを繰り返すクセのあるベースラインが特徴で、シンプルながらもフロアのテンションをじわじわ底上げしていく。
どこかファンキーさも感じさせつつ、エレクトロの硬さとはまた違う軽快なノリが加わり、絶妙なブレイクポイントとして機能している。
CIREZ D / Lost Love
本作の4曲目でも登場したCIREZ Dによる「Lost Love」。
アップリフティングなミニマルハウスで、力強く太いビートがどっしりとフロアを支えながら、シンプルに反復するボイスサンプルが抜群のアクセントになっている。
派手さはないものの、じわじわと熱を帯びさせていくようなグルーヴ感があり、まさにフロアをじっくり温めるのに最適なトラックで、今までの流れの中でミックスすることで、その存在感が際立つ一曲。
JOHN STARLIGHT / Shadowbreaker(Boys Noise Remix)
ZOMBIE NATIONことJOHN STARLIGHTと当時絶好調だったBOYS NOIZEがタッグを組んだ「Shadowbreaker」。
このコンビが生み出しただけあってフロアを爆発させる要素がこれでもかと詰め込まれている。
ギラついたシンセ、エッジの効いたロッキンなビート、そしてクセになるリフ。
まさにロッキン・エレクトロ・ハウスのど真ん中を突き刺す一曲で、これがフロアで鳴れば誰もが拳を突き上げずにはいられなくなるキラーチューン。
ERROR ERROR / Rotten
縦横無尽にうねりまくるアシッドベースに、リズミカルにカットアップされたシンセが鋭く絡むERROR ERROR「Rotten」。
フロア全体を一気に覚醒させるような強烈なエネルギーでここにきて一気にギアを2段階アップ。
エレクトロハウスの流れを突き破るかのように最後はハードテクノで一気にフィニッシュ。
SWELL MAPS / Vertical Slum
1972年結成、UKポスト・パンク期の最重要バンドのひとつSWELL MAPS。
そんな伝説的バンドがまさかのラスト。
ここまで築いてきたエレクトロ〜ハードテクノの流れをガン無視したかのような卓球さんらしい愛嬌のあるチョイス。
でもそれが妙にハマってしまうのもまた不思議で、卓球氏の音楽の幅広さと遊び心がしっかり刻まれている。
以上、最初と最後に強烈なクセを効かせた全19曲。
卓球氏がリリースしてきたDJ MIX CDの中でも、最もリスニングに向いた一作だと感じる。
激しすぎず、緩すぎず、程よくテンションを上げたいときにピッタリな絶妙な選曲バランス。
こういう“ちょうどいい高揚感”を作れるのは、やっぱり卓球氏ならでは。
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