京都に移住してからファミレスにほとんど行かなくなった。
理由として京都には一人でふらっと外食するのに魅力的な個人経営の飲食店が多い。
あと、家族で行くなら王将になりがちであること。
それに京都だと景観規制により、高い位置での看板や派手な色使いができないから街中での視認性が低く目立たないので存在自体気づかないこともある。
京都に移住してからは数えるくらいしかファミレスに行っていないが、その中でも家族で特別な日に行くことが多いのがロイヤルホスト。
家族4人でお会計が1万オーバーするので、普段使いには敷居が高いが価格に見合った満足感が得られることと昭和生まれの自分が子供の頃に感じた「外食しにきた」という特別感がそのまま残っているのも家族でよく行く理由。
入り口の2重扉やレジ前のお土産コーナー、ふかふかの絨毯に外の景色が眺められるソファー席にでかいメニュー表と対面接客などなど・・・自分が子供の頃の雰囲気がほぼそのまま残っているのがほんの少し暖かい気持ちになる。
そんなロイヤルホストを愛してやまない著名人たちのエッセイ集をこないだ大垣書店で購入し、読んでみたところロイヤルホストの魅力が存分に描かれており、いてもたってもいられなくなったので家から一番近いロイヤルホスト北山店へ仕事終わりに1人で行ってきた。
金曜日の夜7時。
家族と訪れるのもこの北山店なので店内の勝手は知っているつもりだが、1人で行くのは初めてなので入り口の2重扉を開ける瞬間、少しだけ心臓の動機が早くなる。
扉を開けるとすぐさま「いらっしゃいませ」と店員さんが駆け寄ってくる。
最近の飲食店は人手不足のせいか入店から席まで案内されるのに待たされることが多いが、このレスポンスの速さは期待ができそう。
ディナータイムということもあり、店内は6割ほど埋まっている感じで残念ながら窓際は満席だったのでドリンクバーすぐ近くの席を案内される。
ほとんどのファミレスがタブレット注文で非接客対応のなか、店員さんがメニュー表を手渡しするだけでワンランク上のサービスに感じる時代になったなと思いながらメニューを眺める。
魅力的なラインナップに即決即断がポリシーの自分の信条が揺らぎそうになるも、エッセイ集でお褒めの言葉を多く頂戴していたコスモドリアとオニオングラタンスープとパンケーキとドリンクバーを注文する。
注文して10分くらいたったタイミングでオニオングラタンスープとコスモドリアが到着。
細心の注意が必要なくらいあっつあつの出来立てなのが嬉しい。
味に集中しながら黙々といただく。
美味しい料理はよく噛んで丁寧に味わう。
味覚の種類がバラエティー豊富で奥深く飽きがこない。
店内を見渡してみると同世代のサラリーマンがワインとステーキを堪能していた。
金曜の夜だから少し奮発したのかもしれない。
そして家族連れもなんとなく品が良さそうに感じるのは気のせいかと思ったが、自分も家族でロイヤルホストにくる時はよそ行きの格好をするから同じ気分だったら嬉しい。
食後の心地よい余韻に浸っている中、完全に注文していたことを失念していたパンケーキが登場。
スーツを着ながらスイーツを食べるのは初めての経験で少々恥ずかしく感じていたが、先ほどのサラリーマンがパフェも食べていたので少しだけ勇気をもらう。
ナイフとフォークの使い方に少し苦戦しながらファミレスクオリティーを軽く凌駕するパンケーキの味に軽く感動する。
3杯もパラダイスティーを飲んだのでお腹が少しタプタプしてきたが、食後のコーヒーも飲みたくなったので、DRIP COFFEEと書かれたこだわりを感じさせるコーヒーマシンでコーヒーを淹れる。
コーヒーマシンの上に控えめに置かれているコーヒーへのコンセプト読むと味わいが増すからぜひ読んでほしい。
入店から90分経過し時刻は20時30分。
居心地が最高でまだまだいれそうだがそろそろ退店しようとレジへ向かう。
最近は会計も無人というファミレスが多くなってきたなか、店員さんがすぐさま駆けつけ伝票を機械に読み込む。
お金のやり取りこそセルフではあるが大きな声で「ありがとうございました」と深々とお辞儀され、ホスピタリティレストランの看板に偽りなしと感じた。
エッセイ集の中で「ロイホは人生の潤い」と表現されていたのがとてもしっくりくる。
ちょっとした潤いを感じながら入店時は重く感じた二重扉を軽やかに開け、夜空に浮かぶロイヤルホストの看板を見上げてみた。
本記事で紹介した「ロイヤルホストで夜まで語りたい」
あの「パラダイスティー」が自宅で味わえる!!!