徹底的に超絶ギターテクニック路線を貫いたリッチー・コッツェン脅威のデビューアルバム!

“超”がつくテクニカル・ギタリスト達の登竜門“シュラプネル・レコード”の足跡を辿る!

エディー・ヴァン・ヘイレンやイングヴェイ・マルムスティーンに続く、超絶テクニックギタープレイヤーを発掘するべくたち上がったレーベル創始者“マイク・ヴァーニー”が米「Guiter Player」誌上で展開していた新人ギタリスト紹介コラム“Spotlight”。

そのコーナーに応募された数々のデモ・テープの中から発掘された超絶ギタリストたち。

今では大御所のギタリストもデビューはシュラプネル・レコードからというのもよくある話です。

あのイングヴェイ・マルムスティーンもシュラブネル門下生というのは有名です。

19歳の若きリッチー・コッツェンもこのコーナーにデモ・テープを送って見事マイクの目を惹き、89年に「RICHIE KOTZEN」でデビューすることになりました。

RICHIE KOTZEN / RICHIE KOTZEN

おすすめは①、超高速③、超難曲④

これまでリリースされてきたトニーマカパインやヴィニー・ムーアのようなネオ・クラシカル路線からやや脱却し、リッチーのファンキーな個性も多少エッセンスとして加えられた作品。

ライナーノートによるとマイクはファンクの対極に位置する人間であり、今後のリッチーの持ち味であるファンキーなスタイルを存分にプレイすることは叶わず、レーベルが求めていたスタイルとリッチーのスタイルとの調整にかなり苦労したとのこと。

結局、シュラプネルからオリジナルアルバムは4枚リリースするのですが、2枚目はリッチーによるヴォーカル作品、3枚目はリッチー自身過去最高のインスト作品というだけあって超絶プレイはやや控えめにして表現力にスポットを当てた好内容、これは本当におすすめの一枚です。

4枚目の「the Inter Galactic Fusion Experience」はグレッグ・ハウとの共演後でもあり、フュージョン路線全開、個人的にこれもお気に入りです。

↓グレッグハウとの共演のフュージョン路線作品

本作「RICHIE KOTZEN」の聴きどころはなんといってもここまで歪んだサウンドでスウィープ、レガード全開の高速ギター満載の前編インスト作品。

しかも、当時は19歳(未成年)

ポール・ギルバート同等の大物感を当時から漂わせています。

ベースにスチュアート・ハム、ドラムにスティーヴ・スミスと強力なリズム隊がサポートと19歳のリッチーに対してマイク自身の期待の高さが窺えます。

オープニングの「Squeeze Play」では19歳とは思えないエモーショナルなプレイが聴けます。

いわゆる泣きのメロディー、たまに聴きたくなります。

この曲こそザ・シュラプネル、マイクの要求を軽々越えたであろう、超絶・超早弾きギターが繰り広げられる「Unsafe At Any Speed」、このアルバムのハイライトと言っても過言ではありません。

こんなリッチーは聴いたことがないくらい押せ押せです。

次の曲「RAT TRAP」も課題曲かと思わせるくらいレガード・スウィープの反復、聴いているだけで指が痛くなりそうです。

様々な要素が絡み合いプログレッシブな展開を見せる「CRYPTIC SCRIPT」。

3rdアルバムの雰囲気を先取りした爽快なロックナンバー「Spider Legs」。速い曲が続いていたのでミドルテンポが心地良いアクセント。

アルバムでネオ・クラシカル要素漂う「Jocose Jenny」などなど全9曲。

リッチーのオリジナル作品の中で最もリッチーらしくない若さ溢れるハイテンションなプレイ満載の1stですが、超絶ギターインスト作品としては無視できない作品です。

今のシブオジなリッチーファンには新鮮な作品ですのでぜひ聴いてみてください🙂

↓リッチーインスト作品最高傑作!

シュラプネルレコードの偉業を振り返る1冊↓

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