MISIAの「NEVER GONNA CRY」収録!EMMA HOUSEシリーズの中でも人気の高い名盤がこれ!

1985年より音楽活動を始め、現在でも現役でフロアを熱狂させ続けているハウス界のレジェンドDJ EMMAが1998年にリリースしたMIX CD。

1998年、NYハードハウス全盛期の空気の中でリリースされた「EMMA HOUSE 4」。

当時の流行を意識した選曲かと思いきや、NY色に寄りすぎることなくEMMA HOUSEらしさを一切ブレずに貫いた内容。

しかも、あの「Do It Again」を最高のタイミングと演出で投下するという神がかった展開。

流行を取り入れつつもEMMA氏のカラーを崩さない、その絶妙なバランス感覚と構成力にうなる一本。

この4作目をシリーズ最高傑作と推すファンも多いのも納得。

今回は最高傑作と推すファンも多いこの「EMMA HOUSE 4」をあらためて紹介。

EMMA HOUSE 4


深夜2時のピークタイムを思わせるハードな選曲で一気に引き込まれる展開のDISC1。

冒頭を飾るのは、前作「EMMA HOUSE 3」に続き登場のULTRA NATE

今回はCLASSIC STRING MIXとMOOD II SWING MIXの2枚使いでスタートから技巧を見せつける。

続くのは、哀愁漂うホーンが印象的なDJ PIERREによるクラシック「The Horn Song」。

続いて、ERICK MORILLO & JOSE NUNESという鉄板タッグによるPIANOHEADZ

執拗にループするピアノと重たいビートがフロアを完全にロックする当時の鉄板フロアキラー「Distortion」。

当時NY在住でトライバルハウスシーンで注目されていたHIROSHI WATANABEによる「TRIBAL FACTORY」。

パーカッシブに乱れ打つビートと、フロアを煽るようなシンセワークが特徴。

荒々しさと洗練が共存する、まさにNYハードハウスの真骨頂。

続いて、ANTHONY ACID「MUZIK, MUZIK, MUZIK」。

NYハードハウス界隈で大ヒットしたトラックで異様に長いブレイクと期待感を煽るドラムロールの使い方が斬新。

フロアを一気に爆発させる勢いを持った一曲。

ソウルシンガーIDE MARIKOをフィーチャーした「KAZE TO TOMONI NAGARETE(MALAWI ROCKS Remix)」で、一気に空気を切り替える展開。

トライバルなビートにのせて軽やかで開放感のあるサックスが駆け抜けるMalawi Rocks「LIKOMA」も登場し、ここで一瞬の清涼感と抜け感を演出。


そしていよいよDISC 1の最大の山場が登場。

KENLOU〜RAZOR N’ GUIDOまでの流れが圧巻でEMMA HOUSEシリーズ全体でも屈指の緊張感と迫力。

不穏なシンセがじわじわと広がるKENLOU(LOUIE VEGA & KENNY DOPE)のトラックで一気にギアチェンジ。

爽やかなグルーヴを断ち切るかのように硬質で鬼気迫るような空気に変わる。

いくら調べても情報が出てこない謎のトラックCINDELA「United DJ’s Of Utrecht」のビートがこの山場のキモ。

トライバルで荒々しい「BANGIN」にCINDELAの疾走感あふれるビートを重ねてロングミックス。

そこにURBAN SOUL「My Urban Soul」のアカペラが被さるという超高難度のスキルが炸裂。

フロアを揺らすだけでなく聴く側の想像力まで掻き立ててくるミックス。

そして完璧な流れでたどり着くのがRAZOR N’ GUIDO「Do It Again」。

クセありすぎるドラムロールを最高のタイミングでブチ込むあたりがさすがEMMA氏。

演出、構成、ミックスのすべてが噛み合ったシリーズ屈指のピーク・オブ・ピーク。

この一連の流れ、今聴いても間違いなくベストミックス。

ハウス好きにはたまらない名場面。

「Do It Again」でピークを叩き出した直後も勢いは一切落とさず、陽気なシンセと針トビ・スクラッチノイズがクセになる「X-Cuse Me」へ。

JONATHAN PETERSの職人仕事が光る隠れた名フロアチューン。

NYハードハウスの熱を引き継ぎつつ、ここで一転イタリア産ハウスA.T.G.O.C.を投入。

シャカシャカと刻む軽快なビートに思わず口ずさみたくなるキャッチーなメロディー。

ピークを越えた時間帯にフロアに心地よい抜け感と多幸感をもたらすクールダウンにも最適な一曲。

DISC 1のラストを飾るのは、ドイツの名門レーベルPEPPERMINT JAMからMICHI LANGE「One More Time」。

ここまでの熱量をほどよくクールダウンさせる清涼感あふれるラテン・ハウスで締めくくり。

パーカッシブで軽やかなグルーヴが緊張感のあった前半の流れに柔らかい余韻を残す。

次の展開を期待させながらもしっかりと一区切りつけてDISC 2へバトンをつなぐ絶妙なクロージング。


爽やかなハウスと歌ものハウスがメインのDISC 2。

なんと言ってもこのDISC 2のハイライトはDAVID MORALES「NEEDIN’ YOU」とMISIA「NEVER GONNA CRY」**のあのミックス。

これ以上はちょっと思いつかないレベルの完成度。

幕開けは、EMMA氏がGOLD時代によくプレイしていたASHLEY BEEDLE「I WANNA SING…SUNSHINE」。

ドラマティックでメッセージ性も強く知る人ぞ知る名曲。

温かさと高揚感のあるイントロで心を掴んだ直後、いきなり投入されるのがクライマックス級の破壊力のピアノハウス「NEEDIN’ YOU」。

ハウスDJなら誰もが一度はプレイしたであろうこの曲を序盤で繰り出してくる大胆さと、その繋ぎの自然さとグルーヴの作り方が完璧。

この流れだけですでに名盤。

EMMA HOUSEで個人的ベスト3に入る歌ものハウスMIDNIGHT EXPRESS「FREEDOM」。

メロディアスなヴォーカルと、しなやかにうねるグルーヴィーなベースラインの絡みが絶妙で、これぞ王道ヴォーカルハウスという一曲。

フロアでもホームでもしっかり心に刺さるエモーショナルで力強い高揚感。

幅広いジャンルを横断するEMMA HOUSE。

ジャズ・トランペッターのロイ・ハーグローヴ率いるRH FACTORのダブ・ミックスに、まさかのDANNY TENAGLIA「Elements」**のアカペラを被せるという離れ業。

続いて登場するのは良質なDEEP HOUSEを数多く輩出した名門SLIP N’ SLIDEからAmiraが登場。

爽やかなスキャットが心地よく抜けていく、まさにTHE BLAZE感全開のリミックスでエモさとディープさを絶妙に両立。

フロアの空気を少し冷ましながらも、気持ちのいい浮遊感でグルーヴを持続させるブリッジ的ポジションの名曲。

続く、DJ Disciple「Latin Love」は、まさに哀愁ラテンハウスの大定番。

美しいホーンのメロディーに跳ねるようなパーカッションが絡み合う極上のグルーヴで完全に南国ビーチ気分。


EMMA HOUSE 4の最大のピークは間違いなくここ!

MISIA「NEVER GONNA CRY(JUNIOR VASQUEZ REMIX)」。

即完売&プレミア化した「つつみ込むように」のアナログのB面に収録されたMISIA「NEVER GONNA CRY(JUNIOR VASQUEZ REMIX)」。

CDJがまだ珍しかった98年当時、この曲をプレイできる=ステータスだったのも納得の一曲。

完全にピークの空気を支配してくる。

そこからスティーヴィー・ワンダー「Another Star」ネタのアッパー・サンバ・ハウス*COIMBRA「Another Star」をミックス。

グルーヴの熱量を一切落とさずラテンの熱気とスピード感でさらにフロアを沸かす構成は鳥肌もの。

完璧な流れ。

そしてMISIAに並ぶくらい当時のハウスファンに刺さったのがGTS「Brand New World」。

MELODIE SEXTONの艶やかでソウルフルなヴォーカルに酔いしれた人も多かったはず。

キャッチーだけど甘すぎずフロアにエモさをプラスしてくれる鉄板の歌モノ。

そこから明け方の空気にぴったりなCevin Fisher「House Music」へ。

ディープでハードな印象が強いCevin Fisherだがこの曲は別格。

多幸感と爽快感が溢れるまさに“朝方の一曲”。

EMMA HOUSE 4のラストを締めくくるのはMALAWI ROCKSによるピアノハウスREMIXで生まれ変わった

SCOTT WOZNIAK「Blue Skies」。

エモーショナルなピアノリフに、じんわりと染み込んでくるヴォーカル。

ここまでの熱量をクールダウンさせつつハウスの美しさを最後まで味わわせてくれる完璧なエンディング。


いかがだったろうか。

ここまで幅広いハウスの魅力を見事に詰め込んだDJ MIXはEMMA HOUSEシリーズがトップクラスだと思う。

35年以上のキャリアを持ち、2022年1月30日にクローズしたスタジオコーストageHaの大トリも務めたハウス界のレジェンド。

その実力を存分に感じられるこのシリーズの中でも、特にこの「EMMA HOUSE 4」は自分sazmの一番のおすすめなのでぜひ聴いていただきたい。

EMMA HOUSEの原点↓

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