
フロアキラーアンセム「Keep On Jumpin’」と珠玉のヴォーカルハウス「Fade」が」今作のハイライト!
フロアキラーなアンセム「Keep On Jumpin’」、そして涙腺を刺激する珠玉のヴォーカルハウス「Fade」——この2曲が本作のハイライト。
2006年にリリースされた本作は、シリーズとしては珍しく2枚組ではなく1枚完結の構成。
それでもハード&メローなハウスをバランス良く詰め込んだ密度の濃い一枚。
前半はフロア直撃のハードハウスでアゲて、中盤はミラーボールがよく似合うディスコフィルター系、そして終盤はお約束のメロウなヴォーカルハウスでじんわりと包み込むような展開。
フロアキラーなアンセム「Keep On Jumpin’」、そして涙腺を刺激する珠玉のヴォーカルハウス「Fade」——この2曲が本作のハイライト。
筆者自身、この時期は西麻布の伝説的クラブSPACELAB YELLOWで開催されていた「EMMA HOUSE」に足繁く通っていたが、ラスト近くで「Fade」が流れた瞬間、フロア中が両手を挙げて多幸感に包まれる——
今回は、そんな景色が甦るあの「EMMA HOUSE 13」を紹介。
- BONGOLOVERZ Feat AN TONIC / Spirit Of House(Spoken apella)
- JARK PRONGO / Bom Dia
- TECHNASIA Feat DJ NASTY / 2 The Floor
- PRIMMI / Space Vox
- TODD TERRY / Keep On Jumpin’ STEVE MAC’S 2005 Thumpin’ Refreash Remix
- MARCO LENZI & ANDERSON NOISE / The Deal
- FILTERHEADZ / Cartagena
- HATIRAS & DJ DAN Feat MESSINIAN / Baked From Scratch
- MACCA Presents JACQUES BAUER / Grade A Bitch
- SOLU MUSIC Feat KIMBLEE / Fade(Grant Nelson Big Room Dub)
- SOLU MUSIC Feat KIMBLEE / Fade(Grant Nelson Big Room Remix)
- PAOLO MOJO / 1983(Eric Prydz Remix)
- FRED FALKE / Omega Man
オープニングはEMMA氏ならではのアカペラを巧みに用いたロングミックスからスタート。
JARK PRONGOのトライバルハウス「Bom Dia」に「Spirits Of House」の語りのアカペラが自然に重なり、あたかもひとつの楽曲のような違和感のないミックスセンスが光る。
続いて、EMMA HOUSE 2000でも取り上げられたハードテクノアーティストTECHNASIA「2 The Floor」を選曲。
DJ NASTYの攻撃的なヴォイスが印象的で序盤からしっかりとフロアの過熱させる一曲。
スペーシーなシンセのループがじわじわとテンションを引き上げ、次に控えるピークチューンへの引き継ぐPRIMMI「Space Vox」。
派手すぎず、地味すぎず、絶妙な存在感でフロアの熱をキープしてくれる。
序盤のハイライトとして登場するのがTODD TERRY「Keep On Jumpin’」
ディスコクラシックを、フロア仕様に大胆リビルドした強力なバージョンで、さすがはビート職人と唸らされる仕上がり。
前曲「Space Vox」から本曲へと切り替わる瞬間、ビートの重心がぐっと前のめりになりフロアの空気が一変。
まさに鳥肌モノのブレイクポイント。
前半のピークでがっつり盛り上げたあとのクールダウンにぴったりなのがMARCO LENZI & ANDERSON NOISE「The Deal」。
フィルターが滑らかに効いたビートと控えめなグルーヴが、ここまでの熱量をほどよく落ち着かせてくれる絶妙な選曲。
巨匠CARL COXのお気に入りFILTERHEADZの少し哀愁漂う「Cartagena」でクールダウン。
哀愁漂うメロディが心地よくフロアに余韻を残す。
そこから一転、HATIRAS & DJ DAN「Baked From Scratch」で跳ねたビートが炸裂。
フィルターハウスらしい勢いで再び熱気を呼び戻す流れが秀逸。
終盤のハイライトは、感動を呼び起こす見事な2枚使い「FADE」!
繊細なヴォーカルとメロディが重なり合い、心に深く響く瞬間を演出。
まさにこのDJミックスのクライマックスと言える一曲で、聴く者の気持ちをぐっと引き上げる。
選曲として抜群のタイミングでヴォーカルハウスの名曲SOLU MUSIC「Fade」が登場。
まずはヴォーカルなしのDubバージョンをかけてフロアを軽く動揺させ、その直後にヴォーカル入りの本バージョンをカットインするという、まさにセンスの塊とも言えるプレイ。
まさにこのDJミックスのクライマックスと言える一曲。
ラスト2曲は「Fade」の余韻をじんわり引き継ぐメロディアスでメローな流れ。
まずはERIC PRYDZがリミックスしたPaolo Mojo「1983」。
図太いビートにじわじわと上昇するアシッドシンセがドラマティックに展開し、余韻を壊さず心地よい高揚感で次のラストへとバトンを渡す選曲。
ラストを飾るのはFRED FALKE「Omega Man」。
メロディアスで柔らかなエレポップハウスが終盤でのミックスの余韻を丁寧に包み込み、どこか切なさを帯びたシンセの旋律が胸をほんの少しだけキュンと締めつける。
まさにエンディングにふさわしい美しい余韻の一曲。
以上、全13曲・約60分のミックス。
バラエティ豊かなジャンルが詰まっていて飽きることなく楽しめる内容に仕上がっている。
特に、数多くのDJに愛されてきたSOLU MUSICの「Fade」のミックスはこのMIX CDの中でも際立っていて、一聴の価値あり。