夜の京都・木屋町通りで味わう非日常的な路地裏ラーメンと路地裏カフェ

京都木屋町通りと言えば京都でも有数の繁華街。

木屋町通り沿いに流れる高瀬川沿いには飲食店をはじめキャバクラなども多く、かつては数メートルおきに客引きに声をかけられ歩くのも一苦労だったが、京都市の「客引き行為等の禁止等に関する条例」が施行されてからはその喧騒も収まり格段に歩きやすくなった。

夜は活気に満ち溢れる一方で昼間は落ち着いた雰囲気が漂い、幕末に縁のある名所旧跡も多く点在している。

司馬遼太郎の作品を愛読する者なら、木屋町通り周辺に登場する地名に馴染みを感じることだろう。

以前の職場が河原町にあったから仕事の帰りに木屋町通りのお店で軽く飲んだり、京都の老舗クラブWORLDに行ったりしていたのだが、転職してからは夜の木屋町通りに行く機会がほとんどなくなった。

そんなこともあり、たまに夜の河原町に行く機会があるとつい懐かしのルーティンを再現してみたくなる。

そのルーティンとは、「大豊」でラーメンを味わい、その後「エレファントファクトリーコーヒー」で珈琲を楽しむというものだ。


▪️路地裏の名店「大豊」

木屋町通りの路地裏にひっそりと佇む「大豊」は、自分が京都に移住して間もない頃、職場の同僚に連れて行ってもらったのが最初だった。

正式な営業時間は定かではないが、当時は夜8時頃から明け方5時頃まで営業しており、飲んだあとの〆の一杯として親しまれている老舗ラーメン店。

なんともわかりづらい路地裏に入り口があり、初見だと見逃してしまうような場所に店がある。

店内はカウンターが10席ほどに加え、自分が訪れる日は大抵、チャーシューの仕込みに使われるテーブル席が一つだけ。

こぢんまりとした空間だが、時間帯によっては満席になることも多いが行列ができることはほとんどなく、観光客よりも常連客が多い印象。

実際、並んでいる客がいれば「また今度」と諦める人も少なくなく、こうしたほどよいローカル感がこの店の魅力のひとつとなっている。

この大豊のラーメンは一見すると京都ラーメンのカテゴリーに収まらない独特の個性を持つ。

鶏ガラスープに背脂を加えたスープはいわゆる京都ラーメンのイメージとは異なりとにかく塩気が強い。

しかしその塩辛さの奥には深いコクが隠れておりつい飲み干してしまうほど後を引く味わい。

スープに合わせる麺はほどよい食感のストレート麺。

さらに、店内のテーブル席で丁寧に仕込まれたチャーシューは濃い味が染み込み、九条ネギがたっぷりとトッピングされている。

この具材の組み合わせが絶妙でスープとの相性は抜群、満足度の高い一杯。

木屋町通りから先斗町に抜ける小路に店があり、初見では見逃しそうな場所に店がある。
ラーメン好きと自認する自分が京都でTOP5に入るくらいリピートしている大豊のラーメン(並)。
スープが見えなくなるくらいのボリュームがあるチャーシューメンもおすすめ。

▪️お店の雰囲気と珈琲の味が高得点「エレファントファクトリーコーヒー」

美味いラーメンの後にはやはり美味い珈琲がほしくなる。

「大豊」から徒歩わずか5分。

路地裏にひっそりと佇む隠れ家的喫茶「エレファントファクトリーコーヒー」は、まさにそんな気分にぴったりの一軒。

営業時間は午後1時から深夜1時までで木屋町界隈のカフェとしては珍しく、夜遅くまで営業しているのもありがたい。

通い始めの頃は、路地が入り組んでいて何度か迷ったが、土佐稲荷神社前の細い路地を目印にしてからはスムーズにたどり着けるようになった。

ビルとビルの隙間のような小道に足を踏み入れると、頭上に小さな看板が見える。

その下に立てかけられた、象のイラストが描かれたサインボードが営業中の合図。

古いビルの狭い階段を上り、重たい木の扉を開けた瞬間、築40年以上の空間が持つアンティークな質感と、ほのかに漂う珈琲の香りが迎えてくれる。

照明は控えめで落ち着いており、BGMも主張しすぎない静かな曲調をセレクト。

カウンターに腰掛け、定番の深煎りブレンドをゆっくりと味わいながら、本を開く。

そんな時間がこの喫茶店の一番贅沢な過ごし方だと思っている。

ここも初見では通りすぎてしまうような場所にお店がある。
下の階にあるミュージックカフェも気になるところだ。
2007年にオープンし、2008年から通っているが当時の雰囲気そのままで年齢を重ねた自分があの頃の記憶をふと蘇ることもある。

13年ぶりに、あの懐かしのルーティンを再現。

夜の京都、路地裏で一杯のラーメンをすすり、静かな喫茶店で珈琲を味わう。

日常の中に潜む小さな非日常。

昔も今も変わらず、自分にとって確かな幸福感をもたらしてくれる時間。

そんなひとときを、ぜひ一度体験してみてほしい。

夜の祇園のスタバで非日常を体験する↓

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