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関東人が京都へ移住して感じた5つのメリット

2008年に京都へ移り住んで、気づけばもう15年以上。

最初は慣れない土地、文化の違いに戸惑うことも多かったけれど、いまでは関西弁もすっかり板につき、日常会話に躊躇はなし。

関東人(埼玉出身)の自分が、いつの間にか“にわか京都人”として京都の日々を楽しめるようになったのは、やっぱりこの街の魅力に惹かれたからに他ならない。

移住した当初は「よそさん」として少し距離を感じることもあったけれど、暮らしてみてこそわかる京都ならではの良さがたくさんある。

そんなわけで、15年以上暮らして実感した「京都移住のメリット」を5つにまとめてみたので、関西移住を検討している人や、京都のリアルが気になる人はぜひ参考にしてみてほしい。

SAZM

筆者紹介・・・埼玉県生まれ。京都に憧れて2008年に移住。京都検定2級保持者で休日はもっぱら京都でフィールドワークに勤しむ。好きな場所は鞍馬寺と高山寺と朝イチの哲学の道。

目次

世界遺産が生活圏。京都ならではの特権

京都市内には上賀茂神社、下鴨神社、東寺、清水寺、醍醐寺、仁和寺、そして少し離れた延暦寺など、世界遺産に登録された名所が数多く点在している。

いずれも京都の歴史と文化を象徴する場所であり、観光客にとっては外せない定番スポット。

2023年以降、インバウンドの勢いも相まって、週末や祝日ともなれば尋常ではない混雑ぶりを見せている。

とはいえ、早朝は別世界。

朝7時〜8時台なら、訪れるのはほとんど地元の方々。

観光客の姿はほぼ見かけず、静寂の中で世界遺産の風格をじっくり堪能できる。

自然に囲まれた境内は清々しく、心身が整う感覚を味わえるのも魅力。

特に哲学の道をジョギングする朝のひとときは格別。

川のせせらぎや鳥のさえずりが心地よく、走っているうちに「京都に住んでいてよかった」としみじみ感じる。

世界遺産が生活のすぐそばにあるというのは、やはり京都ならではの特権ではなかろうか。

観光で訪れる人にも、もし時間が許すなら早朝の哲学の道を一度歩いてみてほしい。
きっと、同じ景色でも感じ方がまったく違うはず。

もうひとつ外せない世界遺産が、あの鳥獣戯画で知られる「高山寺」。

場所は京都市右京区の栂尾(とがのお)、市内中心部からは少し距離があるものの、その分だけ静寂に包まれた山間の寺院だ。

ここは「日本最古の漫画」とも呼ばれる鳥獣人物戯画の発祥地として名高いが、実際に訪れると、それ以上に境内の空気そのものが特別だと感じさせられる。

杉木立の中、苔むした石段を進んでいくと、京都市内にいることすら忘れるほどの深い緑と静けさ。

紅葉シーズンはもちろん見事だが、新緑の季節もまた格別。

朝の清々しい時間帯に訪れれば、まるで森の中に溶け込むような感覚が味わえる。

人の少ない時間に訪れて、耳をすませば風と葉擦れの音しか聴こえない。

そんな贅沢な時間を過ごせるのが、高山寺の魅力。

移住して15年以上経つけれど、いまだにツーリスト気分が抜けない。

毎日の風景が特別すぎて、どれだけ時間が経っても「京都に住んでる」って感覚より「京都を味わってる」感覚が勝ってしまう。

5つのメリットの中でも、これは間違いなく最も贅沢なメリット。

歩けば歴史。京都は偉人ゆかりのスポットの宝庫

筆者は大の司馬遼太郎ファンなので、京都の街はまさに“フィールドワーク”の宝庫。

『龍馬がゆく』や『新選組血風録』を何度も読み返してきた身としては、木屋町通を歩けば維新の志士たちの足音が聞こえてきそうだし、三条大橋あたりでは池田屋事件の余韻すら感じる。

池田屋そのものはもう現存していないが、立て札や石碑が街のそこかしこに残されていて、歴史好きの血が騒がないわけがない。

さらに、歴史をもっと遡れば、室町時代の名残もあちこちに息づいている。

金閣寺や銀閣寺、足利義満や義政ゆかりの地が普通に日常の中にある。

等持院に行けば、足利家の菩提寺で、歴代将軍の木像が並ぶ異様な空間に一瞬でタイムスリップさせられる。

でも面白いのは、京都って「千年の都」として語られる一方で、実は市街地の多くが“新しい”ってこと。

応仁の乱で市街は焼け野原になり、天明の大火でも広範囲が消失、さらに幕末の蛤御門の変でも火の海。

だから今、我々が目にする寺社仏閣のほとんどは再建されたものばかりで「京都の街並みが意外と綺麗なのは焼けてるから」と気づかされる。

それでもなお、積み重なった歴史の気配や時間の層の厚さは格別。

再建されようが、そこに立つことで感じる重みや気配は本物。京都を歩くと、

司馬作品の一節一節が頭に浮かび、物語の続きを自分の足で辿っているような感覚になる。

歴史好きにとってこれほど贅沢な街はない。

移動手段は自転車で十分。コンパクトな京都の魅力

南北を走る市営地下鉄の終点「国際会館駅」から「京都駅」までは、およそ10km。

マラソンなら1時間前後、自転車でも気軽に移動できる距離。

京都市内は観光名所がほぼ半径10km圏内に集約されているため、車やバスよりも自転車の方が圧倒的に機動力がある。

特に便利なのが、鴨川沿いのサイクリングルート。

北大路あたりから京都駅付近まで、信号なしで一直線に走り抜けることができる。

下手に車やバスを使うと、渋滞や一方通行の多さに振り回されるのが京都。道も狭いし、道路事情はかなり「イケズ」。

その点、自転車なら路地裏の散策も思いのまま。

西陣周辺の風情ある街並みや、ふとした路地の奥に佇む老舗の名店など、自転車だからこそ気づける景色がある。

京都に移住したら、まずは良い自転車を手に入れるのが鉄則。

おしゃれなカフェに並ぶハイセンスな自転車の数々は、移動の主役が自転車であることの証。

ちなみに本気を出せば、京都駅から洛北・鞍馬までの道のりも自転車で行ける。

ただし、電動アシスト自転車ではバッテリーが持たない可能性大。

特に二ノ瀬から鞍馬間の小川が流れる山道は絶景で、静けさとともにヒーリング効果も抜群。

苦労して登る価値は十分にある。

一年を通じて楽しめる、京都の多彩な祭りと行事

祇園祭

京都に暮らしていると、毎月のように何かしらの行事や祭りが開催されていて、季節の流れを肌で感じられる。

祇園祭、時代まつり、葵祭、五山送り火といった全国的に知られた祭りはもちろんのこと、人形供養祭、大根焚き、虫干し行事、釈迦の涅槃会など、寺院を中心としたマイナーな催しも豊富。

さらに、東寺の弘法市や北野天満宮の骨董市は毎月定例で行われ、春の桜、秋の紅葉など自然の移ろいにあわせたイベントも充実している。

正直、祭り・行事の数だけでも「京都検定」の問題が成立しそうなほど。

京都の行事が面白いのは、営利目的ではなく伝統や信仰に根ざしているため、土日や祝日限定ではなく平日でも普通に開催されていること。

平日休みの多い自分にはありがたいポイントでもある。

個人的に今後参加したいのが、京都・宇治市の県神社(あがたじんじゃ)で毎年6月5日に行われる「県祭り」。

深夜に神輿が繰り出される「暗闇の奇祭」として知られている。

京都在住とはいえ、深夜の開催ゆえになかなか参加できずにいるが、来年こそは訪れてみたいと思っている。

こうして日常的にどこかしらで何かしらの行事や祭りが行われている京都。

遊園地やテーマパークに頼らずとも、文化や歴史に触れながら十分に満喫できる街。

浪費しなくても心が満たされる街、京都

関東に住んでいた頃、休日を「充実させる」ためには電車で東京に出向き、買い物をし、美味しい食事やバーでの時間を楽しむ…と、何かとお金を使うことが前提だった。

物欲を満たすことや、意識高い系のライフスタイルをなぞることが、有意義な休日だと本気で思っていたし、実際そういう過ごし方をしていた。

そんな浪費気質だった自分が、京都に移住してすっかり「ゆるミニマリスト」になってしまった。

東京にわざわざ出向く感覚で、今では鴨川で本を読んだり、ランニングがてら南禅寺のブルーボトルコーヒーに寄ったり、早朝の清水寺周辺を散策したり。

京都では、1,000円も使わずとも得られる満足感が街のあちこちに溢れている。

実際、ここ3年ほどで私生活での消費額はかなり減った。

物欲はゼロではないが、抑制が効くようになった一方で、「経験」にお金を使う感覚が身についてきた。

3万円の洋服を1着買うより、5,000〜6,000円のライブに5回行った方が、今の自分にはよほど豊かな時間だと思える。

本を読む習慣も、京都に来てからの変化のひとつ。

頻繁に足を運ぶ鴨川やカフェ、スタバで本を読む時間が自然と増えた。

埼玉にいた頃はビジネス書や自己啓発本をよく手に取っていたが、今はそういう類の本には不思議と手が伸びない。

ときめかない本は、鴨川の風景にどうにもそぐわない。

最近はもっぱらガーデニングや植物の本を読みながら、鴨川の土手に自生している草花を観察するのが日課になった。

生活習慣も、価値観も、京都に住んだことで大きく変わった。

物を持つことより、五感で得る豊かさに気づけたのは、間違いなくこの土地に移り住んだからこそだと思う。

最後に…

京都に移住したことは、自分の人生において間違いなく「プラス」しかなかったと今でも思ってる。

タバコもやめて、砂糖も控えるようになって、暴飲暴食の習慣もすっかり消えた。

15万円のスーツや3万円のワイシャツにお金をかけることもなくなったし、ランニングも気づけば2年以上続けられている。

これら全部、京都に移住してからの変化。

おまけに関東から友人や知人がよく訪ねてきてくれるようになった。

「にわか京都人」として、ちょっとマニアックなスポットを案内したりして、京都の奥深さを再発見するきっかけにもなっている。

もちろん、移住にはデメリットもある。

すべてが完璧ではないけれど、自分にとっては間違いなくメリットのほうが大きかった。

特に「京都が好き」という関東在住の人なら、きっと京都移住は成功するはず。

暮らすことでしかわからない京都の良さが、そこには確かにある。

▶︎移住前に知っておきたい、京都生活の“デメリット”

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