夜の京都木屋町通りの路地裏でラーメンを食べて珈琲を飲む

京都木屋町通りと言えば京都でも有数の繁華街。

春は桜の名所として有名な高瀬川沿いには飲食店のほかキャバクラなども多く、ひと昔前までは数メートルごとにキャッチに声をかけられ鬱陶しい通りで敬遠していたのだが、京都市客引き行為等の禁止等に関する条例が施行されてからはすっかり歩きやすくなった。

夜は賑やかな反面、日中は人通りも穏やかで幕末にゆかりのある名所旧跡がいくつもある木屋町通りは司馬遼太郎ファンには馴染みの深い地名がチラホラ見かけることもできる。

木屋町通りには以前の職場が河原町にあったから仕事の帰りに軽く飲んだり、京都の老舗クラブWORLDに行ったりしていたのだが、転職してからは夜の木屋町通りに行く機会がほとんどなくなった。

そんなこともあり、たまに夜の河原町に行く機会があるとつい懐かしのルーティンを再現してみたくなる。

そのルーティンとは木屋町通りにある大豊でラーメンを食べてエレファントファクトリーコーヒーで珈琲を飲んで帰るということ。

埼玉から移住したての頃は仕事がえりに夜の木屋町通りに行きつけのお店があることにステータスを感じていたこともあり休日前にはこのルーティンを実践していた。

久しぶりに夜の河原町に行く機会があったので、懐かしさついでにあの頃のルーティンを再現してみた。

初見ではわかりづらい路地裏の名店「大豊」

京都に移住して職場の同僚に連れて行ってもらったのがここ。

正式な営業時間は把握していないのだが、通っていた当時は夜の20時ぐらいからオープンして明け方5時くらいまで営業していて飲んだあとの〆ラーメンとして愛されている老舗ラーメン屋。

なんともわかりづらい路地裏に入り口があり、初見だと見逃してしまうような場所に店がある。

店内は10席程度のカウンターと自分が訪問するときは大抵チャーシューの仕込みで使用されているテーブル席がひとつとこぢんまりしていて、時間帯によっては満席の時も多いが不思議と行列ができていることは少ない。

観光客もよりも常連が多い印象で、並んでいたら「また今度」みたいな感じで去っていくのを見かけたことがあるし、自分もそんな感じで、この程よいローカル感がここの持ち味でもある。

大豊のラーメンは鶏ガラスープに背脂チャッチャのいわゆる京都ラーメンのカテゴリーには当てはまらず、他府県でも味わったことがない唯一無二の味。

飲んだあとの〆ラーメンと称されるようにスープの味がとにかくしょっぱい。

しょっぱいのだがコクがあり飲み干してしまうくらい後を引く。

そのしょっぱいスープにほどよい食感のストレート麺とテーブル席で仕込んだしっかり味が染みついたチャーシューと大量の九条ネギがスープとの相性が抜群で美味い。

木屋町通りから先斗町に抜ける小路に店があり、初見では見逃しそうな場所に店がある。
ラーメン好きと自認する自分が京都でTOP5に入るくらいリピートしている大豊のラーメン(並)。スープが見えなくなるくらいのボリュームがあるチャーシューメンもおすすめ。

お店の雰囲気と珈琲の味が高得点「エレファントファクトリーコーヒー」

美味いラーメンを食べたら美味い珈琲が飲みたくなる。

「大豊」から徒歩5分の場所にある路地裏にひっそり佇む隠れ家喫茶の名店「エレファントファクトリーコーヒー」。

営業時間は13時から夜1時までとこの界隈の喫茶店では夜遅くまで営業している。

ここに通い始めた頃は路地を間違えてなかなか到達できなかったが、土佐稲荷の前の路地と覚えてからは迷うことがなくなった。

ビルとビルの狭い横道にちょっと入ると頭上に見えてくるお店の看板。

その真下にある古いビルの階段の前に象が書かれた看板が立てかけられていたら営業中のサイン。

狭い階段を登り勇気を出して扉を開けると、築40年以上も経つアンティークな質感の店内に期待が高まる。

ここではカウンター席で定番の深煎りブレンドを飲みながら主張しすぎないゆったりとしたBGMに耳を傾けながら本を読む。

ここも初見では通りすぎてしまうような場所にお店がある。下の階にあるミュージックカフェも気になるところだ。
2007年にオープンし、2008年から通っているが当時の雰囲気そのままで年齢を重ねた自分があの頃の記憶をふと蘇ることもある。

13年ぶりに懐かしのルーティンを再現。

夜の京都の路地裏で美味いラーメンを食べて美味い珈琲を飲む。

日常のような非日常のようなこの体験が自分にとって今も昔も変わらない幸福度が上がるルーティン。

ぜひお試しあれ。

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