こんにちは。
京都でゆるミニマリストとして日々軽めに暮らしている元埼玉県民のsazmです。
今回は京都・洛北にあるインスピレーションを刺激する「鈍考/喫茶 芳」をご紹介します。
「鈍考/喫茶 芳」はBACH代表のブックディレクター幅 允考氏がいままで収集してきた約3000冊の蔵書が読める私設図書館に時間をかけて丁寧に淹れたネルドリップコーヒーがいただける「喫茶 芳」が併設された完全予約制の特別な空間。
予約はwebのみ。
施設利用料は2,200円(ドリンク付き)
営業日は水曜日から土曜日の11時〜12時30分、13時〜14時30分、15時〜16時30分の3部制となっており1枠6名まで可能。
あの特別な空間を共有するには6名が理想的な人数。
予約開始は毎週水曜日9時より。
2週間後の水、木、金、土曜日の予約をまとめて受付しています。
希望日が確定している場合は早めの予約がおすすめ。
電車を降りた瞬間から時間が鈍くなる
最寄り駅は叡山鉄道「三宅八幡」駅。
昭和の雰囲気そのままの無人駅。
駅前には商店らしきものはありません。
閑静な住宅街の中を歩いていると心和む里山の景観。
歩くことがまったく苦にならない癒される自然の眺め。
静寂のために最低限のコミュニケーション
ゆったりとした気持ちで歩くこと約10分。
閑静な住宅の景観に溶け込む「鈍考/喫茶 芳」に到着。
静寂の中で読書をしてほしいという主宰者の想いから接客はミニマム。
入室方法はあらかじめメールで送られたパスワードをスマートロックに入力。
扉を開けると店主が理想的な声のトーンで利用方法を案内してくれます。
音の鳴るものは控えてほしいということから利用時間中は写真撮影は禁止。
みなさんルールを守って黙々と読書をしたり思案したりしてました。
こだわり抜いた空間で過ごす至高のひととき
本を読むには90分は短い。
でも、人の家の本棚の背表紙を見るのは面白く発見もあります。
文学をはじめ、哲学や建築、料理本や漫画、絵本まで興味を惹かれる本がずらり。
それが幅さんの本棚というのだからこれ以上の贅沢はないのでは。
そして、さらなる贅沢として「静けさをデザイン」したという読書空間。
鈍考のコンセプトは「時間の流れが遅い場所」。
コーヒーも時間をかけて丁寧に淹れる。
時間の流れが加速する現代とは真逆の空間。
このコンセプトを具現化したのが建築家の堀部安嗣氏設計によるこの居住空間。
3000冊もの蔵書の圧迫感がまったく感じさせない家具を減らしてスッキリした見た目。
人と人の適度な距離が取れるように縁側や小上がりやカウンター席などの様々な居場所。
オーレヴァンシャーのコロニアルチェアに腰掛けながら本を読む贅沢。
日本古来の伝統工法を随所に用いた隙のない空間にインスピレーションが刺激されます。
静寂の中の心地よい自然のノイズ
電子音や人の声が遮断されると耳に聴こえてくるのが自然のノイズ。
外の縁側に出てみると普段は聞き漏らしている自然のノイズに意識が傾きます。
小川のせせらぎ、鳥や虫の鳴き声、風でしなる木々の音・・・
寺の檜林を借景とした裏庭からは車の騒音はまたっく聞こえてきません。
また、室内もエアコンの作動音がまったく気にならない。
雨の日なんかは雨音がなんとも心地よいアンビエントミュージックとなります。
時間の流れを鈍くするための場所
筆者はこれまでここに2回ほど訪れています。
本を読むという目的というよりか、マインドフルネスに近いような感じで精神を整えたいときに「鈍考」を利用しています。
特に、ここの縁側の心地よさは筆者の大好きな世界遺産「高山寺」にある石水院に匹敵します。
人数も6名までなので観光シーズンでも雑多になることはありません。
90分という時間で一冊読むのは難しいけれど、筆者の好きな小説 村上春樹の「海辺のカフカ」の好きな箇所をこの空間で読むのも心地よい。
時間の流れを正常に整えたい時に訪れる特別な空間「鈍考/喫茶 芳」。
ゆるい京都時間を満喫したい方は訪れてみる価値ありです。
■鈍考/喫茶 芳 https://donkou.jp