京都といえば、京料理や湯豆腐、抹茶スイーツなど、和食や和菓子のイメージがどうしても先行する。
古都ならではの繊細で上品な味わいは、国内外問わず多くの人を魅了し続けている。
でも実は、京都には「意外なジャンルで全国レベルのクオリティを誇る店」が数多く存在する。
今回はその中でも、1年を通して無性に食べたくなる冷やし中華の名店「中華のサカイ」を紹介。
場所は京都市北区で、京都で一番長いとされる新大宮商店街の中にある。
ただ、観光ついでにふらっと立ち寄るには少し不便な立地。
電車だと地下鉄北大路駅から徒歩30分ほど、京都駅から市バスを使うと約40分かかる。

中華のサカイは、昭和14年(1939年)創業。
京都でも指折りの老舗中華料理店として知られている。
その歴史は実に80年以上。いまではすっかり“冷麺の名店”として有名だけれど、実は創業当初は洋食屋としてスタートしていたという。
その名残として、現在もメニューにはオムライスがしっかり残っている。
ふわっと仕上げられた卵に、どこか懐かしい味のケチャップライス。
中華料理店の枠を超えて、地元民に長く愛されてきたことがうかがえる。

ふわっと仕上げられた卵焼きに、どこか懐かしい味のケチャップライス。
訪れたのは平日の夕方6時ごろ。
夕食には少し早めの時間帯にもかかわらずすでに店内は満席。
さすがは地元民に愛される人気店。
待っている間もひっきりなしにお客さんが訪れていた。
外のショーケースには冷麺のテイクアウト用パックがずらりと並んでいる。
これならお店で食べられなくても自宅であの味を楽しめるのがうれしい。

クール便で届くので京都に来られない人にも“あの味”を届けることができる。
順番が来ると、店員さんが店内へ案内してくれた。
中に入るとどこか懐かしさを感じる昔ながらの中華料理店といった雰囲気。
壁にはズラリと有名人のサインが並び、長年にわたって愛されてきた店の歴史と実力が伝わってくる。
メニューは冷めんだけでなく、炒飯やラーメン、オムライスなどバリエーションも豊富。
ただしやはり、一番人気は看板メニューの冷めん。
なんとこの冷めん、季節を問わず一年中提供されているというのもポイント。

どちらも根強い人気があるけれど、自分は迷わず「焼豚入り」一択。
待つこと10分程度・・・
こちらが冷麺です。

これが「中華のサカイ」の冷麺。

「中華のサカイ」最大の特徴ともいえる特製ダレ。
鶏ガラスープをベースに、まろやかな酸味とほんのり甘みを感じる自家製のクリーミーなタレと、
特注のモチモチとした中太麺と絡めるとこれ以上ないほどの相性で、
一気に食べきってしまうほどの完成度。
店内を見渡すとほとんどすべてのテーブルに冷麺が並んでいてまさに看板メニューの貫禄。
常連らしきファミリーが注文していた天津飯も、ふっくらとろとろで見た目から美味しさが伝わってくる。
場所柄、観光客よりも地元の人でにぎわう「中華のサカイ」。
観光のついでというより、“わざわざ食べに行く”タイプの名店。
アクセスの手間すら気にならなくなるそんな唯一無二の冷麺をぜひ一度体験してみてほしい。
インフォメーション

中華のサカイ本店
住 所:京都市北区紫野上門前町92番地
営業時間:11:00〜16:00、17:00〜21:00
定 休 日:月曜日(祝日の場合は営業)
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