
京都・修学院でゆるく味わうプチ秘境。
今回は、京都市内からアクセス抜群なのに、ちょっとした“秘境感”を味わえるお気に入りスポット——修学院砂防ダムをご紹介。
比叡山のふもと、京都市左京区の修学院エリアにある「修学院砂防ダム」は、土砂災害を防ぐために整備されたダム。
といっても、ゴツゴツした無機質な施設というより、豊かな緑に囲まれた静かな空間で、地元の人の散歩コースや癒しスポットとして親しまれている場所。
京都市内中心部からもすぐ行ける場所ながら山の中に入り込んだような静けさがあって、ちょっとした“プチ秘境”気分が味わえる。
それでは修学院駅から砂防ダムまで道のりを写真付きで案内。
修学院砂防ダムへのアクセスは叡電「修学院駅」から歩いて約20分。
市バスなら5番「修学院道」からでもアクセス可。
今回は叡山電車「修学院駅」からスタート。
出町柳駅から4駅、約10分くらいで到着。
修学院駅で有名なのがその名の由来にもなっている「修学院離宮」。
駅から徒歩10分ほどの場所にあり、比叡山の麓に広がる広大な庭園は京都の中でも特に静謐で、洗練された空気を感じられる場所。
事前予約が必要な宮内庁管轄の施設だけどその静けさと眺望はまさに別格。
時間があれば、砂防ダムとあわせて立ち寄るのもおすすめ。

まずは東、山の方へ向かって歩き出す。
白川通りに出たら、そのまま北上。
しばらく進むと音羽川が現れるので、川沿いに上流を目指していく。
このあたりから徐々に日常の景色が切り替わり、ちょっとした旅のはじまりを感じさせてくれる。

しばらく歩くと、道の途中に「京都大原山田農園 たまご工房」が見えてくる。
地元でも人気のお店で新鮮なたまごを使った濃厚な味わいのプリンとシュークリームがかなり美味しいのでおすすめ。

さらに3分ほど進むと「山道具とごはん ROKU」を通過。
ごはんもカフェ利用もできる地元でも人気のお店で、ふらっと立ち寄れる居心地の良さが魅力。


さらにてくてく歩いて3分ほど進むと道が三つに分かれる三叉路に到着。
ここから先は、行き先次第で雰囲気がガラッと変わる分かれ道。
左へ進めば「修学院離宮」、右へ登れば「曼殊院」、そして真ん中の細い山道が今回の目的地「砂防ダム」へのルート。
看板も出てるので見逃すことはないはず。

このあたり一帯は修学院離宮の周辺ということもあり厳しい景観規制がかけられているエリア。
そのおかげで、現代にいながらまるで100年前にタイムスリップしたかのような、のどかで穏やかな風景が広がっている。
建物や道の佇まいも控えめで、造営当時の空気感がいまも静かに残っているように感じる。

砂利道をそのまま進んでいくと、3分ほどで砂防ダムとハイキングコースの入り口に到着。
徐々にまわりの景色が住宅地から山の表情に変わってきて、日常の空気がすーっとほどけていく感覚が心地いい。

まず最初に現れるのが、歴史の風情をまとった「雲母橋(きららはし)」。
この橋を渡れば、かつての古道「雲母坂」へと続き、比叡山への登山口へと繋がっている。


さらに奥へ。
山エリアということもあって、ここからはゆるやかな登り坂が続く。
途中にあるこの階段、実は個人的お気に入りスポット。
紅葉の季節は木々がいい感じに日陰をつくってくれるので、ここで腰を下ろしてパソコン広げれば、プチ・ワーケーションを満喫することができる。

遂にプチ秘境へ到着。
目の前に広がるのは、岩肌を流れ落ちる爽快な滝と、その水が穏やかに広がっていく澄んだ小川。
鳥の声と水音だけが響くこのロケーション、まさに“街のすぐそばの非日常”。

人口的に造られた滝ではあるものの周囲の豊かな自然環境と調和し、見応えのある景観を作り出している。
市街地からほど近い場所とは思えないほどの静けさと清涼感があり、訪れる人の心をリフレッシュさせてくれるスポット。


サンダルがなくても裸足で滝の真下まで行けるのが嬉しいポイント。
砂防ダムならではの柔らかい砂と小石の川床だから裸足でも痛みなく歩ける。

さらに、この砂防ダムは上まで登ることができて滝の上からの景色も楽しめる。


先ほどよりさらに秘境感アップ。
山奥に流れる人工の川と抜けるような青空が広がるこの場所はまさに現実逃避にぴったり。
日常の喧騒を忘れて、心からリフレッシュできる隠れスポット。


残念ながらこの先は通行禁止でここまでが散策の限界。
レジャーシートとお弁当、おやつを持っていけばピクニック気分も楽しめるし、ひとりでぼーっと過ごすのにもぴったりの場所。
最寄りの保育園児が遠足で来られるほどの距離感だから観光のついでにサクッと立ち寄るのもアリ。
紅葉シーズンは圧巻の絶景が広がるにもかかわらず、まだ観光客にはあまり知られていない穴場スポット。
アクセス良好でプチ秘境体験が味わえる修学院・砂防ダム、ぜひ訪れてみてほしい。
↓京都・山科から南禅寺まで山の中を歩いてみた