新宿リキッドルームでのジェフ・ミルズの伝説的一夜をライブ・ミックス・レコーディング!

1995年10月28日深夜3時の衝撃

今はなき新宿リキッドルームで録音された、“宇宙人DJ”ことジェフ・ミルズによる伝説的DJプレイを収めたMIX CD。

ハードミニマルの頂点とも言える圧巻のセットが詰まっており、当時の熱狂がそのまま閉じ込められた一枚。

ジェフ・ミルズ / ミックスアップ VOL.2

全36曲収録。

全3セグメント構成でセグメント1と2はどちらもピークタイム仕様で、セグメント3にはアンコールが収録されている。

全編を通して展開されるのは超攻撃的なハードミニマル。

踊るというより思わずヘッドバンギングしたくなるような剥き出しのグルーヴが突き刺さる。


▪️Segment 1

冒頭は、宇宙空間に呑まれたかのような浮遊感ある「UTOPIA」で幕を開け、自身の代表曲「THE EXTREMIST」へと流れ込む展開。

ストイックなまでに直線的なビートが容赦なく押し寄せ、序盤から一気にミルズ・ワールドへと引き込まれていく。

お得意のフェーダーカットでビートを細かく刻み、フロアを熱狂させたかと思えば、思い切ったレコードの逆回転カットインで一気に空気を塗り替える。

3曲目にはSURGEON「Magneze」は、90年代テクノらしい硬質で無機質な音色が心地よく、シンプルな展開ながらじわじわと盛り上げてくる、まさにフロア仕様の一曲。

JOEY BELTRAMによるDJの課題曲「THE START IT UP」。

この曲をどうミックスするかで腕が試されるが、このMIX CDでの使い方はまさに頂点。

展開の切りどころ、繋ぎのタイミング、グルーヴの持続力――

どれをとっても完璧でこのプレイを超える使い方は、少なくとも自分の知る限り存在しない。

ジェフ・ミルズの代表曲の中でもフロアの熱狂度が群を抜く「Step to Enchantment」を、ここではなんと2枚使いで展開。

高速カットインとフェーダーワークを駆使した、息つく暇もない超高難易度のテクニックが炸裂。

そのまま怒涛の勢いで「The Bells」へ突入し、フロアのテンションは一気に頂点へ。

まさに神がかり的な流れ。

シカゴ・ゲットーハウスの代表格DJ FUNKによる「Work That Body」。

一聴するとチープでスカスカな音作りなのにジェフ・ミルズの手にかかると不思議と太く、芯のあるグルーヴへと生まれ変わる。

Derrick Mayの名曲「Strings of Life」へのアンサーとも称されるJeff Mills「Changes of Life」。

その印象的なピアノフレーズが突如、1小節だけ強引にカットインされ、フロアの空気が一気に引き締まる。

直後に押し寄せる図太いキックが地鳴りのように響き、圧倒的な存在感でフロアを支配する。

この大胆なミックスはジェフ・ミルズの真骨頂とも言える瞬間。

うねり倒すTB-303が暴れまくるCIRCUIT BREAKER「Overkill」。

アシッド全開、フロアの空気を一気にアゲていくエネルギーに満ちた一曲。

これからピークに持っていくぞというタイミングで選曲したくなる、まさに攻撃的ブースター。

終盤に差し掛かるタイミングで投入されたのは、シカゴテクノの名曲、TRAXMEN「Wet Floor」

ミニマルで無骨、スカスカなビートと荒削りな質感が逆にクセになる“素材勝負”の一曲。

余韻をじっくり残しながら、CLAUDE YOUNGの「Nocturnal」でフェードアウト。

今までのハードな余韻を味わい尽くすエンディング。


▪️Segment 2

ヘヴィメタルさながらの攻撃性を放つADVENT「Bad Boy」でスタート。

BPMは140を軽々超え、強烈な勢いで一気にフロアを引き込む。

この曲のハットの鋭い刻みだけで一気に覚醒状態に陥る。

さらにジェフ・ミルズが巧みにSEを重ね、よりハードで攻撃的な世界観を生み出している。

いきなりの3曲目で早くもハイライト到来。

まさかの3曲目でDERRICK MAY「Strings of Life」投入。

あの高揚感あふれるピアノリフが突如フロアに鳴り響いた瞬間、空気が一変。

序盤からクライマックスをねじ込む攻めの展開。

そこからジェフ・ミルズ自身のトラックを2連発、ディープでヘヴィなグルーヴがじわじわとフロアを飲み込み、そしてKEN ISHII「Extra」LUKE SLATERリミックスが登場。

ジェフ・ミルズ、ロバート・フッド、マイク・バンクスによる伝説的プロジェクトX-102「Intro」から再び重厚な宇宙空間へ突入。

「H & M(Robert Hood×Jeff Mills)」名義の「Suspense」は、まさに90年代デトロイト・テクノを体現した名曲。

Dan Morgan「Flowerchild」は、ロー&ダープな深みのあるグルーヴと曲全体に漂う“囁くようなトーン”がクセになる仕上がり。

「え、ここで終わるの?」と誰もが思うような、深夜3時とは思えないテンションのまま終了。


▪️Segment 3

歓声に迎えられて始まるアンコール。

緊張感のピークを越えたあとの、リラックスしたムードの中で披露されるのは、ジェフ・ミルズ自身による名曲3連発。

アンコールとはいえ一切の手抜きなしで「CASA」ではスクラッチ、フェーダーワーク、レコード逆回転まで繰り出す、まさに技巧のデモンストレーション。

特に注目は、「STEP TO ENCHANTMENT」から「LIFE CYCLE」へのミックス。

Segment 1ではこの流れだったのが、アンコールでは逆順でミックスされておりどちらの繋ぎも甲乙つけがたいほど見事。

最後はじわじわとフェードアウト・・・長いクラブの夜が明けていく感覚がしみじみと伝わってくる。

臨場感あふれるライブDJ MIXとして、この作品は間違いなく名盤の一枚。

あの伝説の一夜での高揚感を再体験したいすべてのテクノファンにおすすめ。

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