アンビエントをテーマにした視聴覚芸術の展覧会AMBIENT KYOTO2023に行ってきました【レポート】

2022年、第1回目としてアンビエントの創始者BRIAN ENOの展覧会「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」を開催し、大成功を収めた企画がさらにスケールアップして第2回目が開催。

参加アーティストは坂本龍一、高谷史郎(ダムタイプ)、CORNELIUS、BUFFALO DAUGHTER、山本精一の作品が出展。

会場は京都中央信用金庫 旧厚生センター京都新聞ビル地下1階という普段は一般開放されていないスペシャルな空間。

歴史ある建築物である京都中央信用金庫 旧厚生センターと入り口からは想像できない広大な敷地の京都新聞ビル地下1階。

その特徴的な空間を日本のトップサウンドエンジニアZAK氏が設計した立体音響で各アーティストのサウンドと映像と高田政義氏による照明がシンクロし、まさに体感する音と光の展覧会

アンビエント・ミュージックについて造詣が浅い(!)筆者sazmが秋晴れの心地よい昼下がりに「AMBIENT KYOTO 2023」に参加してきましたので早速レポートいたします。

EXHIBITION 01 / 坂本龍一+高谷史郎 asynchronous-immersion 2023

会場の京都新聞ビル地下1階は2015年まで稼働していた印刷工場跡地で普段は非公開。

天井が高く奥行きのある空間に坂本龍一と高谷史郎のコラボレーション映像が大画面で流れてます。

油やインクの匂いがする工場跡地という広大な敷地で天井高約10mもある空間を活かした音響設計で聴く坂本龍一のasync。

ピアノや弦、雨の音などの繊細な音色と高谷史郎が日本、ドイツ、アイルランド、アメリカ各地で撮影した映像が見事にシンクロしています。

イヤホン越しで聴くのとは全く印象が異なり、広大な空間で聴くasyncは音色の余韻と余白を感じさせられます。

作品の上映時間は約1時間ほど。

「async」を聴いてからこの会場に行くことを強くおすすめします。

自分の中で聴いたことのある「async」と会場で聴く「async」を比較することで新たな発見に気づくことができます。

EXHIBITION 02 / BUFFALO DAUGHTER、CORNELIUS、山本精一

会場の京都中央信用金庫 旧厚生センターは2022年の「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」でも使用されたレトロな建築物。

この会場ではBUFFALO DAUGHTER、CORNELIUS、山本精一の作品を体感することができます。

会場は3階、2階、1階の順で巡ります。

3階ではCORNELIUSによる「霧中夢-Dream in the Mist-」が展示されています。

この曲は新作「夢中夢-Dream in Dream」に収録されています。

筆者が部屋に入った瞬間に赤い照明と深い霧で1歩先が見えない状況の中、立体的な音が鳴り響くという不可思議な空間。

音とシンクロするように照明がデザインされまさに視聴覚を刺激するような作品。

霧は絶え間なく噴霧されているので自分の存在がどこにあるのかわからなくなります。

それにしてもCORNELIUS作品にデザインされた照明が見事です。

同じ3階フロアにBUFFALO DAUGHTERと山本精一の映像作品が展示されています。

BUFFALO DAUGHTERは映像作家 黒川良一と住吉清隆による映像2作品。

2021年にリリースされた“We Are The Times”から「ET(Densha)」と「Everything Valley」が出品。

巨大モニターに映し出される映像と迫力ある音のシンクロが本作品の魅力。

重厚感あるサウンドと不穏な響きがこだまする「ET(Densha)」と軽快で浮遊感ある「Everything Valley」。

ET(Densha)
ET(Densha)
Everything Valley
Everything Valley

この会場では山本精一の書き下ろしの新曲「Sihouette」が出品。

この曲が本会場の中で最もアンビエントらしい響きがあり、どうやったらこんな音が出せるのかと感心させられながら聴いていました。

序盤は綺麗なギターのハーモニックスが鳴り響いているのですが映像がノイズに乱れるのとシンクロして音が濃厚になりノイズの中に音楽性を見出すことができます。

Sihoutte
Sihoutte

3階にあるラウンジで休憩をしていたらさりげなくCONELIUSの新曲「LOO」が流れているという粋な演出。

このレトロな空間で流れている「LOO」を聴きながらまったりすることができます。

窓が素敵

2階ではCORNELIUSによる「TOO PURE」が出品。

この曲も「夢中夢-Dream In Dream」に収録されています。

この会場は奥行きのある立体スクリーンにgroovisionsの映像が流れており、草や花、動物などのヴィジュアルにリンクさせたかのような人工芝が床に敷き詰められているので座って鑑賞することができます。

1階入り口奥にはCONELIUSによる「QUANTUM GHOSTS」が展示されています。

この曲は火花のシングルのカップリング曲。

5感をフルに使って作品に触れることができるという本会場の一番の山場ではないでしょうか。

会場中央にステージがセットされ、その中央に立つと立体的な音響と視覚を刺激する照明を体全体で感じることができます。

360度全方位にセッティングされた20台のスピーカーから鳴らされる立体音響と高田政義による照明により、四方から音と光に包まれるという体験ができます。

ステージ中央に立って生で体感することをおすすめします。

全ての作品を閲覧したらGalley Shopへ。

会場限定の魅惑的なグッズに思わず散財してしまいました。

筆者が購入したのは

CORNELIUS「SELECTED AMBIENT WORKS 00-23」

鍵善良房 特製菓子「琥珀」

CONELIUSxサウナの梅湯xAMBIENT KYOTOタオル

鍵善良房「琥珀」

作品全てを体感するのに約1時間程度、美術館とライブを同時に体験したような気分。

普段アンビエントを聴くことはあまりありませんが、新しい音楽の聴き方や芸術的価値が見出すことができてとても有意義でCONELIUSの新作がいいヘッドフォンで聴きたくなりました。

今回の開催は12月24日まで開催。

実は京都とアンビエントは相性が良いということは認識させられた「AMBIENT KYOTO 2023」。

京都観光に取り入れてみてはいかがでしょうか🙂

AMBIENT KYOTO 2023 詳細ページ

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