京都には“スーパー”のつかない昔ながらの銭湯が多い。
高層マンションが少ない平屋続きの街並みを見上げればモクモクと煙をあげている長い煙突。
伝統的な京町家や歴史的建造物を使用した京都ならではの粋な外観。
地域の住人たちがひと風呂浴びてくるという表現がしっくりくる理想的な規模感。
ゆの文字がでっかく書かれた牛乳石鹸ののれんを老若男女関係なく吸い込まれるように潜っていく。
京都にはまだまだ銭湯文化が根強く残っていると感じられる。
京都の銭湯は昼の2時ごろにオープンして24時前後に閉店するのがスタンダード。
なかには土日限定で朝風呂が堪能できる銭湯もあるので訪問する価値あり。
銭湯文化が根強く残っている京都市内には2024年現在79件の銭湯が営業中※京都府浴場組合調べ
自身も家の風呂はシャワーのみで3日に1回は銭湯に通うほどの銭湯好き。
なかでも今一番のお気に入りな銭湯が京都府立植物園の南側に位置し、鴨川からすぐ近くにある鴨川湯。
大正15年(1926年)創業。
設備の老朽化や物価高の影響を受け2022年に営業を終了していたが、「サウナの梅湯」を運営しているゆとなみ社が継業し2023年にリオープン。
レトロな外観とほのかに怪しいネオンサインに魅せられてのれんを潜れば理想的なザ・昭和。
脱衣所のロッカーにある柳行李や浴場のタイルなど民藝クラスの調度品。
天然地下水薪沸かしの湯船に浸かれば秒で感じる癒しのバスタイム。
お客さんのマナーもよくそれぞれのペースで入浴タイムを楽しめるので一見さんやツーリストにも優しい。
湯上がりには種類豊富なドリンクで水分補給。
ゆっくり丁寧なお風呂時間を満喫したとしても滞在時間は30分程度。
このお手軽さが“スーパー”のつかない銭湯のいいところ。
日が暮れていないのであれば湯冷ましに鴨川の遊歩道を歩いてみるのもまた一興。
日々の暮らしにちょっぴり彩りを添える銭湯ライフ。
今日も散歩ついでに銭湯に行ってみる。
今、サウナで一番聴きたい曲
鴨川湯
住所:京都市左京区下鴨上川原町56
営業時間:14:00〜25:00 火曜定休