ビッグビート全盛期にリリースされた FATBOY SLIM初のオフィシャルDJ MIX「On The Floor At The Boutique」

1 Michael Viner’s Incredible Bongo Band / Apache

2 Fread Wesley & The Horny Horns / Discositdown

3 Clockwork Voodoo Freaks / Deaf Mick’s Throwdown

4 Jungle Brothers / Because I Got It Like That

5 Bassbin Twins / Vol 1 side 2 Track 2

6 Mr Natural / That Green Jesus

7 Deeds Plus Thoughts / The World’s Made Up Of This & That

8 Fatboy Slim / Michael Jackson

9 Dj Tonka / Phun-Ky

10 Cut & Paste / Forget It

11 Buzzthrill / Everybody In The House

12 CLS / Can You Feel It

13 Aldo Bender / Acid Enlightenment

14 Christopher Just / I’m A Disco Dancer

15 Hardknox / Psychopath

16 Cirrus / Break In

17 Psychedelismith / Give Me My Auger Back

18 Cut La Roc / Post Punk Progression

19 Fatboy Slim / The Rockafeeller Skank


1998年リリース。

ビッグビート全盛期に登場したFatboy SlimのDJ MIX。

たぶんオフィシャルとしては最初のDJミックス作品。

今のような“アゲアゲ一本勝負”じゃなく、程よいアッパー感でオールミックスな選曲。

序盤はヒップホップ的なカット&ミックスで、中盤からハウスメインになり、終盤にかけてはガッツリとビッグビートで畳みかけてくる、ジャンルに縛られない“Fanboy Slim節”全開となっている。


FATBOY SLIMのDJ MIXのオープニングで最高のつかみはコレ!

1曲目がジャングルブラザーズのキラーチューン「Because I Got It Like That」のサンプルネタを45回転で倍速再生し、それにB-BOYブレイクビーツのマスターピースINCREDIBLE BONGO BANDの「Apache」を被せるという離れ技を披露。

凡人では思いつかないかなりぶっ飛んだミックス。

3曲目はオールドスクール好きにはたまらない名曲、Clockwork Voodoo Freaksの「Deaf Mick’s Throwdown」。

B-BOY御用達のクラシックネタをこれでもかとスクラッチ。

原曲よりかなりピッチ早めでブチ込んで、序盤の勢いをそのまま保ちつつ、テンションもジワジワあげていく。

オープニングで登場したJungle Brothers「Because I Got It Like That」がはやくも4曲目で登場。

もちろん45回転の倍速再生でスピード感とテンションを一気に跳ね上げる荒技。

原曲はこんな感じ。

MR. NATURAL「That Green Jesus」はいかにも初期のFatboy Slimが好きそうな一曲。

ループするファンク・ブレイクにレトロな質感のヴォーカルサンプルが乗っかり、じわじわとグルーヴを形成していく展開がたまらない。

特に中盤以降、パーカッションやシンセのレイヤーが徐々に重なってテンションがビルドアップしていく構成は、ピークに向けての伏線としての役割も果たしている。


ここで満を持してブチ込まれるのが、誰もが知る超ド級の大ネタ――そう、マイケル・ジャクソン!

耳に残るあのギターフレーズを贅沢にサンプリングし、Fatboy Slimらしいブレイクビーツで再構築したタイトルもそのまま「Michael Jackson」。

原曲の持つポップさとグルーヴを活かしつつ、しっかりとフロア仕様にチューンアップ、初期のFanboy Slimのいいところが凝縮された名曲。

ズンズン響く四つ打ちキックに、ブリブリ鳴るファットなベースラインに乗っかるドリーミーに浮遊するキラキラのシンセメロディー。

完全にフロア映えする黄金比のバランスで構築されたDJ TONKA「Phun-ky」。


ここからはFATBOY SLIM真骨頂の“ワザありMIX”が炸裂!

ハウスDJにとっては説明不要の超ド級キラーチューン、CLS「Can You Feel It」の中盤、グルーヴがピークに達したあたりで、突如スッとフェードインしてくるのまさかのTB-303オンリーで鳴らされるベースラインALDO BENDER「Acid Enlightenment」。

これだけでも充分フロアがザワつくのに、さらにそこにCHRISTOPHER JUSTの「I’m a Disco Dancer」の“あの”中毒性あるヴォイスネタだけを被せてくるという離れ業。

リズム、音色、空気感すべてがピタッとハマってて、もはや仕込みとしか思えない完璧さ。


ここからはFATBOY SLIMが最も得意とする陽気でファンキーなビッグビートのオンパレード!

まず飛び込んでくるのはCIRRUS「Break In」。

勢いよくカッティングされるファンキーなギターリフが前のめりにグルーヴを牽引し、跳ねるようなブレイクビーツと見事に融合、めちゃめちゃキャッチーで踊れる1曲。

勢いそのままに登場するのが、ビッグビートの名門レーベル SKINT からデビューしたターンテーブルの魔術師、CUT LA ROC「Post Punk Progression」からFATBOY SLIM自身の大ヒットアンセム「The Rockafeller Skank」に着地。

「Right about now, the funk soul brother」 の声が飛び出した瞬間、フロアは爆発確定。

勢いとテンションのピークをラストに一気に持ってくるこの流れは、まさにFATBOYらしい痛快なフィナーレ!


このMIX CDは、まさに“程よい小箱仕様”な選曲が光る一枚。

巨大フェスで爆上がりというよりも、熱気と一体感のあるクラブの規模感ぴったり。

ヒップホップ、ブレイクビーツ、ハウス、ビッグビートを絶妙に横断しながらも統一感はしっかりあって、初期のFanboy Slimのいいところが前面にでてている。

個人的に聴き倒した1枚。ぜひお試しあれ。


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